ストップ安銘柄から見えてくるバリュー株選好
この週末に米国のシリア爆撃の地政学リスクが持ち上がり、先進国市場の中で最初に織り込むことになった日本市場は強弱まちまちの反応が見られました。
日経平均などの主力株に底堅い動きが見られるのに対し、マザーズ指数をはじめ中小型株には相対的に売りが膨らんだほか、個別の下げもキツくなっています。
需給面としてまだ厳しい状況にある中で、先週に良い決算数値を出した企業も厳しく売られており、それが投資家心理を必要以上に冷え込ませているような気がします。
投げ売りが出始めると、我先にと売りに走る投資家が多く、売りが売りを呼ぶ展開になりやすいのが非常に特徴的です。
地政学リスクに目が向きやすいのであれば今晩の欧米市場も売られそうなものですが、むしろ攻撃が終わって不透明感は後退したように思いますので、買われてくる場合もあるかもしれません。
ようやくSQ通過でまともな相場になりそうでしたが、本日は出鼻をくじかれた動きでした。
ただし、下げのキツかった銘柄が直近まで大きく買われていた高PER銘柄であったことも事実で、割安なバリュー株に資金が向かおうとしていることも考えられます。
バリュー株に資金シフトしてくるのであれば、金融やサービス、素材、資本財などの業種が強含んでくると思われます。
物色動向にトレンドが生まれるかどうかはさておき、目先ではふくおかFG(8354)やテイクアンドギヴニーズ(4331)、石油資源開発(1662)、タチエス(7239)などの低PBR銘柄などが選好されやすいと言えそうです。
よって、これを参考にすると現時点における株価バリュエーションは非常に重要性が増してくるタイミングとも言え、決算内容と合わせてチェックしておく必要があると言えそうです。
本日の値下がり銘柄に出てきたヨシムラ・フード(2884)やTOKYOBASE(3415)、ベクトル(6058)、サインポスト(3996)などはいずれも過去最高決算を叩き出しているにもかかわらずストップ安まで売り込まれる事態となっており、どれも投資家期待値の高い銘柄であったことも共通しています。
これはつまり、単なる好業績だけでは足りず、そこに割安性の評価も必要であることを物語っています。
もし今後ポジションの見直しなどをするにあたって、どれかを利益確定したり、損切りしなければならないような投資判断が迫られるのであれば、株価バリュエーションを参考に決断されるのがよさそうです。
今回の出直り相場ではまずバリュー株投資家が先んじて報われることになるかもしれません。
【 人 生 の 格 言 】
『 小さな一歩を細かく繰り返すほうが多くを学べる。 』
(アマゾンドットコムCEO ジェフ・ベゾス)
それでは、明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日紹介した銘柄】
ふくおかFG(8354)
テイクアンドギヴニーズ(4331)
石油資源開発(1662)
タチエス(7239)
執筆:加藤あきら
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