重苦しい警戒感の中で人気化する材料株
SQ前でどうも上値の重たい日本株ですが、昨日の日経に投資家の強気・弱気を示す指標である「プット・コール・レシオ(PCR)」が約11年ぶりの弱気水準に達したと記事にされたことが脳裏をよぎります。
警戒感が根強く残る日本株に突破口を見出したい気持ちがある投資家は多いと思いますが、思いとは裏腹に短期的な急落に対して神経質となってプットが積み上がり、ヘッジ需要が増加しているようです。
そうなるとSQ通過後の仕掛け売りを警戒する声もでてくるのですが、もしあるとすれば次の売り口実が気になるところです。
最新のニュースでは安倍首相が赤坂の迎賓館で中国の李克強首相と韓国の文在寅大統領と会談し、北朝鮮の諸問題に対する立ち位置の確認と経済分野にまで議論が及んだようです。
日中韓の関係性は改善に向かっているとみられ、北朝鮮問題に対しても米朝首脳会談の調整が進められておりますので、強引なこじつけがなされなければ明確な売り材料などは見出しにくい状況です。
一方で、日・米・中それぞれで内政に課題を残す状況となっており、米中は貿易摩擦懸念が横たわっています。
これらの国際情勢に加えてイランを中心とした中東の地政学リスクや原油高などマクロ動向が怪しいので、決算材料も素直には好感されていないように見受けられます。
それであるがゆえに市場物色は個別株のゲリラ物色となっており、全体として上値を伸ばしきれずに日経平均もすんなりと22500円を超えて上昇していく状況には至っていないというのが現状なのだと思われます。
需給要因を鑑みて空売りやつなぎ売りなども積み上がっているのだとすれば、上昇していった場合には当然踏み上げになるので大相場が始まってきてもおかしくありません。
ただ、そのタイミングはやはり上記の諸問題がクリアになった時までおあずけとなる可能性があります。
トランプ米大統領も昨日のツイッターで、北朝鮮が拘束していた米国人3人を解放した外交成果に対してマスコミが流しているのはフェイクニュースばかりだと批判していましたが、本当に解決するのであれば確かにノーベル平和賞ものです。
目先は明日の決算発表ピークと5月SQ、米朝、米中、イランの諸問題でどこから火の手があがるかはさておき、そうならなかった時はどうするのか、空売りの踏み上げ相場に備えはあるのか再確認しておくとよいでしょう。
また、決算発表だけでなく昨日のNDS(1956)、SYSKEN(1933)、北陸電話工事(1989)の3社を子会社化したコムシス(1721)に続いて、日本電通(1931)、シーキューブ(1936)、西武電気工業(1937)の3社を子会社化する協和エクシオ(1951)のような新規材料を発表する企業も相次いでおりますので、M&A市場も活性化しているようです。
一旦目の前の株価から目線を移すと世界はやはり景気状況が良いことに変わりはありません。こうした時に次期の成長材料になりそうな手を打っている企業は対応力と決断力がありますので、目をつけておくとよいかと思われます。
【 人 生 の 格 言 】
『 永続的な競争優位性があり、自分の意思で価格を引き上げることができる「良い会社」に的を絞ることが重要。 』
(バークシャー・ハサウェイ副会長 チャーリー・マンガー)
それでは、明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日紹介した銘柄】
NDS(1956)
SYSKEN(1933)
北陸電話工事(1989)
コムシス(1721)
日本電通(1931)
シーキューブ(1936)
西武電気工業(1937)
協和エクシオ(1951)
執筆:加藤あきら
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