下落相場の経験知
昨日に続いて本日も日経平均の指数寄与度が高い銘柄を中心に続伸となりました。
日経平均は一時500円を超える上昇の大幅反発、窓を開けて25日移動平均線を突破するなど勢いが違っています。
ただし、今日の動きも重要ですが、先行きに対する自信を深めるためには過去動向の分析が欠かせません。
下がっている時は相場から目を背けたくなるものですが、上がっている時、都合の良い時だけみるというのでは成長がありません。
相場の世界では“経験知”がモノを言う場面が何度も出てきます。
下げ局面でどういう風にポジションをとったのか、あるいは切ったのか、これが一番経験値を高めることにつながります。
売買の注文をしなくとも自分なりに相場を見ておかないと次に同じような局面がきた時にどう対応してよいのか分からないのです。
そんな中、昨日発表された東証の投資主体別売買動向では、先週の地合いを大幅に悪化させた売買が注目されます。
金額ベースでみると、証券会社の自己売買部門がやや目立っています。
比率としてみれば全体の17.5%でさほどでもないかもしれませんが、ネットで3000億円以上を売り越したのは今年2月のショック以来です。
5月に日経平均が23000円をつけて上昇した時は個人投資家の売りを一手に引き受けておりましたので、リスクの取り方に何らか変化が生じたのかもしれません。
証券会社で対面取引されている方のなかには、最近「これから相場が下がるからベアを仕込みましょう」とか勧誘されている方はいらっしゃいませんか?
いずれにしても、指数が大幅高したことによって投資家心理は改善に向かっているとみられます。
気になったのは、思いの外売買ボリュームに物足りなさが残ったところです。
これだけ全面高に近い上昇であればもっと売買が活況になってもよさそうなものですが、TOPIXなどは25日移動平均線手前のところで寸止めし、上に抜けきれていません。
マザーズ・ジャスダックそれぞれの指数にも25日移動平均線を回復するまでにはまだ距離があります。
指数を見比べると日経平均だけがとくに際立った動きになっていますので、個別株を見る上ではこれと切り離してみておく必要があるでしょう。
本日も主力株の躍動に隠れて中小型株の動きはまちまちでした。
つまり、偏った銘柄にだけ資金が集中している何よりの証拠であり、全面的にリスクオンにはなりきれていないのです。
傾向をみると、昨日決算を発表した企業には寄付き直後から終日にわたって強い買い需要が確認されました。
おそらく業績相場に期待する投資家は潜在的に多かったとみられ、最近まで外部環境に振らされてファンダメンタルや本来の企業成長性に目を向けづらかったのだと思います。
決算で買われた銘柄が値を崩すことなく高止まりしたということは、本格的な業績相場到来の予兆と言ってよいでしょう。
でなければ、3連休前の週末という状況で、エスケイジャパン(7608)の決算ギャンブルのためにリスクテイクしようとする投資家はもっと少なかったはずです。
下落相場の経験知を活かしていけるのはむしろこれからです。
【 人 生 の 格 言 】
『 とにかく人のやらないことをやれというのがうちの方針です。 』
(ニトリHD創業者 似鳥昭雄)
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日紹介した銘柄】
エスケイジャパン(7608)
執筆:加藤あきら
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