100兆円企業の登場と日本の成長株に期待
今週は日米の金融政策や米企業の決算が市場の注目を集めましたね。
大きな波乱なく市場予想どおりでひと安心した方も多いことと思います。
でも今週は、それよりも締めくくりに出てきたアップル決算ニュースには市場関係者でなくとも衝撃が走っているようです。
米大手IT企業の企業価値は今や世界の名だたる大手企業が束になっても届かない水準にまで達してきました。
アメリカのアップルは今回の好調な決算を受けて株価が最高値を更新し、時価総額がアメリカ企業として初めて1兆ドルを突破しました。アメリカ企業の中でも史上初の快挙です。
日本円に換算するとおよそ112兆円近くに達したこととなります。
以前にアベノミクスで企業の内部留保がこの4年〜5年かけて100兆円増加したとありましたが、日本企業が全部貯金をはたいてようやくアップルを買収することができます。(笑)
日本企業で時価総額が最も大きいのは誰もが知るトヨタ自動車(7203)ですが、その額はおよそ24兆円で、アップルの企業価値はこのトヨタのなんと5倍近くになります。
想像をはるかに超える規模ですね。
トヨタもここから株価5倍になるとはなかなか考えにくいですが、このアップルにも時価総額が数百億円、数千億円といった時代はあったわけです。
大化けする株はなってみて初めて後から優良株だったと気づけるものです。
そういえば、日本のバブル経済期は三菱地所(8802)が当時の米国を象徴するロックフェラーセンターを買収したことが話題になりましたが、こうした最近の流れからM&A市場も活発化してきそうです。
日本の大手IT企業にもM&Aを駆使して成長している企業もありますし、ここからの躍進にも期待したいところですが、現状で一番の課題は先端IT技術者の確保ができていないというのが深刻さを増しているようです。
どこもここ最近で人材を1.5倍〜2倍に拡充する計画を出していて、AIやビッグデータを駆使するデータサイエンティストなども人材の争奪が激しくなっているそうです。
経済産業省では、国内の先端IT人材が2018年時点で約3万2000人不足しているとの推計があり、2020年には不足数が約4万8000人に拡大する見込みです。
今や上記のトヨタ自動車などの自動車メーカーでもAI人材の囲い込みに動いていますので、日本の将来はこれからのIT人材の手にかかっていると言えそうです。
IT技術者が学習するソフトやe-ラーニングなどを手がけているアイスタディ(2345)や子育て支援のSERIO(6567)などの事業は将来伸びていきそうな気がしますね。
【 人 生 の 格 言 】
『 事業は本来、単純明快なもの。 』
(信越化学会長 金川千尋)
それでは来週も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日紹介した銘柄】
トヨタ自動車(7203)
三菱地所(8802)
アイスタディ(2345)
SERIO(6567)
執筆:加藤あきら
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