今週来週の相場と銘柄の仕込みどころ
今週は幸先よいスタートとなり、朝方に安く始まった日本株は徐々に下げ幅を縮めていくと思いきや、そのままプラスに転じて市場センチメントもだいぶ回復したように見えます。
目を見張る動きは日本だけでなく、先週まで苦戦していた中国株がなんと上海総合指数が5%近い上昇、深センも含めて本土株は大幅に急反発を見せました。
中国リスクが一服したとみるや、すかさず中国関連株も連れ高しています。インバウンド関連の代表格である資生堂(4911)などの化粧品株、そしてピジョン(7956)などの日用品株の反発に見ることができますね。
他にも安川電機(6506)などの戻りが強く、先週末のコラムをお読みになった方には中国関連株の安いところを拾っていただけたことでしょう。
ただし、今日は戻り幅に対して売買が膨らんでいないことに目を向けておかなければなりません。本格的な戻りを期待するには底値近辺で大きく出来高が膨らむ必要なのです。
今日の上昇の中身を見ていくとやはり個別物色の面が強く、細谷火工(4274)など異彩を放つ軍需関連銘柄がストップ高になっています。
ここにきて米トランプ政権がサウジアラビアなど中東の地政学リスクから目を逸らすためか、ロシアとの中距離核ミサイル全廃条約を破棄する考えを明らかにするなど、新たな火種が出てきています。
中国もロシアも自分の意のままに動くような国であることは分かっているにもかかわらず、旧ソ連時代の協定をわざわざ引っ張り出す必要性が全く無い中での迷言が飛び出してきました。
実質的な影響よりも心理的な影響を重視して揺さぶりをかけるトランプ外交に惑わされないように気を引き締めていきましょう。
今日は中国株の大幅上昇に比べるとやや勢い不足でしたので、全体的に戻り売りに適した日であったと言えそうですね。しかし、明日はもし下げるようなところがあれば抜け目なく拾っていきたいところです。
今週は24日に臨時国会が召集されますが、今年相次いだ災害の復旧費を盛り込んだ補正予算を成立させることができるかが焦点です。また、その経済対策の規模感も大事です。
やはり本格的な上昇を望むには、9月の時のような外国人買いが復活することが欠かせません。
彼らが動く重要なファクターとして、消費増税をふまえて下振れ圧力のかかる日本の景気を下支えできるだけの経済対策があるか無いかになってくるでしょう。これが期待にかなうものであれば日経平均の23500円回復、そして高値24448円の更新にもそれほど時間はかからないと思われます。
こうなってくると、目先はミクロな企業の決算発表とマクロの経済対策、そして外部環境の綱引きとなりそうなことがわかります。
予算成立まではしっかりとリスク管理しながらポジションを調整し、成立が決まったらいつでも動けるように種玉の仕込みだけはしっかりと行ってください。
今週の動きがこれからの相場でいかに重要なものであったかは、1ヶ月後に歴然とした差となって表れてくることでしょう。
【 相 場 の 格 言 】
『マーケットが何を言っているのかを聞き取ることだ。
自己肯定は、一切、 無用だ。
トレーディングの目的は儲けを上げることなのだから。』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
資生堂(4911)
ピジョン(7956)
安川電機(6506)
細谷火工(4274)
執筆:加藤あきら
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