歯止めのきかない売りが収まるタイミング
昨晩の米FOMC結果が予想通りの利上げ決定となりましたが、市場反転のきっかけにはつながらず、本日もかなり強い売り圧力で続落となってしまいました。
原油価格の反発によって関連銘柄の一角には買いが入り、全面安は避けられましたが追証投げや年内手仕舞いの売り圧力で幅広い銘柄が値下がりしました。
12月のメジャーSQ後は先物主導での下落でありましたが、現物市場でも一直線に下げてきています。
株式市場の水準感としては直近のボックスを下方ブレイクしましたので、あらためて下値メドが下方修正されることになってしまいました。
米株安によって海外勢の日本株売りには歯止めがかからず、日経平均は今年3月安値の20347円が視野に入ってきています。
この時には日本の公的年金GPIFが出動したと話題になったと記憶していますが、買い手が不在の状況では売り方が買い戻してくるタイミング待ちになります。
先日のコラムで書いたように今年2月・3月の動きに酷似しているとすれば、本日のような大陰線の次の日には安寄りして大きな自律反発につながるはずです。
ただしこれはあくまでも日経平均のチャート上での話です。
この時と大きく異なるのは、TOPIXやマザーズ指数の水準が著しく低いところに位置しており、日経平均が年初来安値を割り込んだこと以上に重要です。
それくらい投資家の損益ポジションは悪化していることが容易に想像できます。
また、年内の換金売りを急ぐファンドのポジション外しと個人の節税売りが重なっていますので、この動きは年内取引に換算される25日の最終売買日までを堪えどころとしなければならない点も注意が必要です。
一方で年内の売り尽くしであれば25日過ぎに転換点を迎えるという見方もできます。
売り物が枯れてしまえば自律反発がみられるのは当然かと思いますが、それに年末のドレッシング買いなどが加わると、強いリバウンドが発生する可能性もありそうです。
こうした売り要因を鑑みると、企業のファンダメンタル要因やテクニカル指標などは全く無視した動きであることがお解りいただけることと思いますし、目先は市場の需給要因に注目しておきたいところかと思います。
騰落レシオは70ポイント近くで売られ過ぎ水準に突入してきました。明らかにリスクオフの地合いですので、今晩の米国市場、VIX指数、原油価格、そして為替動向にも注意を払いながら反動高のタイミングに狙いを定めておきましょう。
【 相 場 の 格 言 】
『 売買の時期は、売買の銘柄より大切 』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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