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あすなろ投資顧問

2018-12-25 17:00:00

加藤あきらの投資戦略室

クリスマスバーゲンセールはセリングクライマックスとなるか

本日のお取り組みもお疲れ様でした。

先週から下値を掘り下げた米国株は昨晩もパウエルショックの余波で大幅安、連休明けの日本株もこれほどの下げ幅は当然織り込んでいるはずもなく、あえなく連れ安してしまいました。

昨日の米国市場は短縮取引となる中、一旦は下げ渋る動きでリバウンドが見られたものの結局は下げ幅を拡大してNYダウは22000ドル割れで終わっています。むしろ休場の方がマシだったかもと思うような相場でした。

米国市場でもマージン・コールと呼ばれる追証売りが収まらず、特に取引終盤がいとも簡単に100ドル200ドル下落する恐慌状態となっています。

この『マージン・コール』についてはリーマン・ショック時の金融危機の様子を描いた映画作品となっておりましたので、ご存知だった方もいらっしゃるかもしれません。

先週の暴落時よりこの追証売りについてはふれてきましたので、ある程度警戒をしていた投資家は多いことと思いますが、共通の関心事はこの下げが一体どこで下げ止まるのかという一点に尽きるかと思います。

これまでもチャイナ・ショックやリーマン・ショックなど再三にわたって市場が暴落する事態を見てきたはずですが、生き残ってきた投資家が口をそろえて言うのはリスク管理の重要性に尽きます。

一方で、リスクヘッジ商品などをからめて売りのポジションを持っている方は大きく利益が乗っていることと思います。

先週の見方では、年内最終売買の本日が市場の底打ちタイミングになるとお伝えしておりましたね。今年2回目となる日経平均1000円を超す下落でしたので、これがセリングクライマックスとなる可能性もあるでしょう。

こうした事態の収束を図るために、モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスといった米投資銀行も慌てて景気後退の先行き懸念を過度に織り込み過ぎだとアナウンスする程です。

米国の債券金利の動向で景気後退懸念が騒がれ始めてから、だいぶ日も経っていますが、市場ではどうやら3%成長していたものがゼロ成長まで落ち込むことを織り込みにいっているようです。

元々の証券アナリスト見解では3%成長の持続性にやや陰りが見え始めた点や、これが2.5%成長に落ち込むかもしれないといったものだったはずです。いくらなんでも3%成長→ゼロ成長に急減速するようなことは考えにくいでしょう。

中国の景気後退懸念もそうなのですが、7%成長していたものが6%台になったからと言って成長していることに変わりはありませんし、明らかに市場の過剰反応であることがお解りいただけることと思います。

今回の暴落を今年2月のVIXショックに重ねる方や、はたまた1987年のブラックマンデーを彷彿とさせるものと考える向きもありますが、いずれにも共通する点は暴落が下げ止まった後に初めて“絶好の買い場”であったと振り返られるところです。

市場が過度に期待したり、過度に失望したりすることは常ですが、米国の景気減速がそれほど深刻なものでないと判明した際には、大きな反発力がブラックマンデー後のバブル相場のようになっていく可能性すらあるのです。

日米の金融政策も、当時のプラザ合意後の米国が引き締め、日本が緩和継続と構図も似通っておりますので、これから同じような歩みを見せる可能性もあるでしょう。

日本のバブル景気が最高潮を迎える少し前の段階でも、このような暴落があった事実があっただけでなく、日経平均の下落率はブラックマンデー時を上回り、明らかに売られ過ぎの水準をも超過しているレベルです。

日経平均はバブル後高値24448円からはすでに20%以上も下げて、今年初めて20000円を割り込んだわけですし、ニュース等では平成最後と相まって悲観相場を大々的に取り上げる見出しが躍ることでしょう。

しかし、かつての日本株はこのようなショックから世界に先んじて立ち直ってバブルの道をひた走ったわけです。

バリュエーション面ではPBR1倍割れが目前まで迫っていますので、リーマン・ショック以来の超激安の水準です。

朝から相場を眺めていると世間のクリスマス気分も吹き飛んでしまうかと思いますが、むしろクリスマスにバーゲンセールとなった数少ない機会です。

相場では夜明け前が一番暗いと言われますが、セリングクライマックスであれば夜明けが近いとも考えられます。平成最後の大納会が近づいて波乱含みですが、明日からの新年売買に備えて出来る準備から始めていきましょう。


【 相 場 の 格 言 】
『 売るべし、買うべし、休むべし 』

それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆:加藤あきら

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