SQ前日で荒れ模様の株式相場、今はテーマ株の攻め時か
さすがメジャーSQ前日というだけあって攻防激化の1日でしたね。
最近の海外市況から、再びリスクオフ姿勢に傾斜してきたなという印象でしたが、半導体株・原油といった典型的なリスク資産が下落していたのはこういうことだったのですね。
メジャーSQ前日に帳尻合わせのように下げてくるのですから、海外勢の力業もいいところです。
ある程度事前に想定できていれば怖くないですが、昨日に続いて中国株の下げ方を見せられると個人投資家の握力も弱まって当然かもしれないですね。
香港ハンセン指数は昨日2%近い下落から、本日も1.5%続落で下げがきつく、先物市場も為替市場もこれに反応してくるところがまた市場心理に悪影響を及ぼしています。
為替は米国の利下げ分を織り込むドル安も関係しているのかもしれませんが、典型的なリスクオフあるいは仕掛け売りの匂いが漂ってきます。
実際に香港では先週末から大規模デモが拡大の一途を辿っており、一部では暴徒化で警官隊との衝突の果てに市民に発砲する騒ぎまで起きています。
この度の「逃亡犯条例」改正に反対する香港市民は、人口700万人とされているうちの100万人以上がデモに参加する事態に発展しており、中国の内政が揺らいでいます。
中国にとっては米中貿易戦争真っ只中だというのに国内でも混乱が生じて内憂外患の状況と言えます。
中国も気になるのですが、今後のところでは台湾の動きも気になります。立場は違えど一国二制度の香港と近からずも遠からずといった立ち位置なのが台湾です。最近ではトランプ米大統領も接近していますね。
米中対立の構図の中で、来年に総統選を控える台湾でも今回の香港デモに反応がみられており、予備選でもこれを意識せざるを得ない状況となっています。
2020年の台湾の総統選を制するのが親米派か親中派かによって市場に与える影響も変わってくるため、こちらも頭の片隅に入れておかなくてはなりません。
今はまだ市場の材料にされておりませんが、いずれ米中対立の火種になってくる可能性があるからです。
目先では市場スケジュール的に言うと、明日のメジャーSQを通過後に機関投資家ポジションがまた新規売りしてくる可能性も否定できません。
個人投資家はこれまでの短期の上昇に浮かれず、警戒感を強めて守りと攻めの両立を意識していくことが大事でしょう。
揺れている東アジア情勢ですが、本日値下がり優勢の中で下げ渋りあるいは堅調な動きを見せている銘柄群もあります。
NTTデータ(9613)はじめ会計システム系の銘柄は今日も強い部類でしたが、その他に旅行関連の動きが目を引きました。
直近で決算発表しているところで業績好調の事例が相次いでいましたから、それで物色が広がっている感じでしょうか。
私の監視銘柄の中ではエボラブルアジア(6191)はじめ、旅工房(6548)、ベルトラ(7048)、ビジョン(9416)などです。
もし今後地合い悪化する流れとなれば、穴株としてアゴーラ(9704)などが噴き値を形成する場面もみられるかもしれません。
メジャーSQ通過後の相場の方向感を見極めながら、市場のテーマ物色の流れに乗っていきましょう。
【 相 場 の 格 言 】
『社会も相場も出来事で動く』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
NTTデータ(9613)
エボラブルアジア(6191)
旅工房(6548)
ビジョン(9416)
アゴーラ・ホスピタリティー(9704)
執筆者:加藤あきら
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