徐々に企業決算が本格化、骨太な投資家が利益をつかむ
週末の参院選を終えて、投資家サイドとしては波乱なく通過した安心材料と今一つ相場の支援材料とはなりづらい無難な結果に、本日は思惑的な売買も交錯した1日だったかと思います。
私見では消費増税のハンディを抱えながらも与党の強さを物語った選挙であったかと思いますが、一人区における野党共闘の効果もみられ、東北地方なんかは思ってた以上に激戦となった印象です。
基本的には参院選で現政権の安定基盤が今後も続くことが確認できたことにより、この先は市場参加者の増加が期待されるところでもあります。
時期的には企業決算シーズンに差し掛かってまいりますので、これがひと段落した後とみていますが、待ち切れない投資家なんかは先回り買いで前のめりに投資してくることになるでしょう。
まだ気が早いですが、8月お盆を過ぎたあたりに企業決算が一巡してくることを考えますと、短期筋は決算ギャンブルに興じるとみられ、じっくり仕込んで値上がりを待つ投資家などは業績期待のある株を少し試し買いしておいて、決算で一時的に売られるところなどを虎視眈々と狙っていくものと思われます。
明日はキャノンMJ(8060)や両毛システムズ(9691)、小松ウォール工業(7949)、ビオフェルミン製薬(4517)などが決算発表を予定しています。中にはそろそろ値ごろ感があるところまで売られてきている銘柄もちらほらとあるようです。
市場の商いが薄い以上、短期的な売買は資金回転がキモとなりますので、一度掴まってしまうと取引のリズムが狂ってきます。
ましてや短期売買はロット(株数)で勝負していますので、買いの板が薄いところに売りをぶつけていくしかないため、一つのミスが命取りになる危険性を孕んでいると言えます。
一方で、薄商いで下げやすいところを利用して下値を賢く拾い集めていくのが、比較的時間に余裕がある投資家となります。
市場の商いが盛り上がらないが故に上値をブレイクするエネルギーも少ないわけです。焦って売買する必要がありませんので、どうしたって余裕を持った投資家の方が市場での優位性を高めていくことになります。
また、短期投資に固執するあまり、せっかく将来的に有望な株を買っているにもかかわらず、薄利で利益確定し、その後にどんどん値上がりするのを眺めているだけとなるケースも考えられます。
私もコラム内で短期売買を勧めることもございますが、基本的にはこの先の日銀会合、米FOMCまでだと思っています。
それ以降は闇雲に銘柄を触って変な下げで被弾するよりも、秋の相場をしっかりと見据えて個別・テーマの狙い撃ちをしていく方が最終的なパフォーマンスがよくなると考えています。
参院選を通過して、2016年の時のように相場が盛り上がっていくかどうかはまだ分かりませんが、状況的には海外勢が日本株を持っていないという点は類似しています。
どこかの外資系がフライングで日本株を買い始めたら、他の外資系も“持たざるリスク”を意識して慌てて追随してくることも十分に考えられます。
その時に当の日本人投資家が皆短期売買で美味しいところを全部持っていかれてしまってはまた世界の笑いモノにされてしまいます。
今こそ骨太な気概を持った投資を始めていく時で、そのタイミングはもうそこまで迫ってきています。
【 相 場 の 格 言 】
『千里ゆく者は3月(みつき)糧を集む』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
キャノンMJ(8060)
両毛システムズ(9691)
小松ウォール工業(7949)
ビオフェルミン製薬(4517)
執筆者:加藤あきら
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