3連休明け下落スタートも為替反応は限定的で下げ渋り
昨晩の海外市場でリスク回避ムードが強まって迎えた3連休明けの東京市場。
米国市場における金利が一段と低下したことに加えて、欧州ではドイツ銀行株の大幅安、アルゼンチンでは株式指数(日本でいう日経平均)が1日に37%も下落して資本市場は警戒ムードが高まりました。
為替はリスク回避から一段と円高深耕してドル円は105円台前半に下落、円は各国通貨に対して独歩高の様相を呈してきました。
背景には金融緩和競争の激化があり、ニュージーランドやインド、タイといった新興国も競って利下げに踏み切り、緩和策で後れを取っている日銀には厳しい視線が向けられています。
こうした中で株式市場は外部環境の悪化に伴い厳しい売り圧力にさらされることが予想されましたが、意外にも下げ渋り8/6の安値までは下落しませんでした。
為替水準では一段安となってもおかしくない雰囲気が漂う中で、日本株は朝方の売り一巡後は押し目買いが入り下げ渋りの動きが見られました。
どうやら株式市場では為替離れの動きがみられるようになってきたと言えます。
もちろん8月下旬にかけてのところで下値不安が無くなったわけではないと思われますが、本日の出来高が膨らんでいるところを見ますと、日経平均のPBR1.00倍付近では強力な買い方の存在があることを裏付けています。
相場としては先週のコラムでも書いたように、先週末の戻りで半値戻しまでいかずして下落しておりますので弱含みであることは見ての通りではありますが、昨年末と比べて日経平均のBPS(1株あたり純資産)の水準は向上しておりますので、20000円付近はサポートされやすいものと思われます。
個別株では決算発表が大詰めを迎えており、本日と明日で大方の決算発表が出揃うことになります。
15日以降は個別材料の手掛かり難から市場はより一層膠着感が強まりやすいと言えますが、ここにきて為替に対する反応が鈍くなってきていることは渡りに船といったところかと思います。
本日の総括としてはやはり決算反応が良かった銘柄を中心にグレイス・テクノロジー(6541)やブイ・テクノロジー(7717)といった個人に人気の銘柄に加えて、学研HD(9470)やサンドラッグ(9989)といった極めて内需寄りの銘柄にも資金が向かってきていることに目を向けたいところです。
今後も為替の円高深耕に歯止めがかからないことを想定しながら、円高メリット株などの上昇も目立ってくることと思われます。
代表的なところで中越パルプ(3877)や国際紙パルプ(9274)といった製紙業や佐田建設(1826)などの建設業もジワジワと買われてくるかもしれません。
次いで狙い目は決算発表後に上振れ反応した銘柄の押し目買いで、ナカヨ(6715)やクリナップ(7955)なども案外出直りが早いかもしれません。
今週は立会日が4日しかありませんし、お盆休み真っ最中ですので、海外勢だけでなく国内の投資家もお休みしがちかと思われますが、それにしては本日の出来高の異常な膨らみは要チェックです。
さらに米FRBも景気悪化に備えた新たな政策を用意し始めているようです。
売り物を吸収する巨大な買い手の存在にも目を光らせながら、安値争奪戦に乗り出していきましょう。
【 相 場 の 格 言 】
『個人投資家にできないことは「プロのゲームでプロに勝つこと」、
自分のゲームで自分にコントロールできることで勝てば良いのだ』
(ベンジャミン・グレアム)
それでは来週も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
グレイス・テクノロジー(6541)
ブイ・テクノロジー(7717)
学研HD(9470)
サンドラッグ(9989)
中越パルプ(3877)
国際紙パルプ(9274)
佐田建設(1826)
ナカヨ(6715)
クリナップ(7955)
執筆者:加藤あきら
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