マネーゲーム化していく株式市場の未来を語る
今週末のジャクソンホール会合を通過していよいよ来週は今年のハイライトを飾りそうな勝負どころを迎えてきそうです。
5月からここまで我慢して我慢して、準備をしてきた中長期目線の投資家にとってはようやくスタートラインに立てるといったところではないかと思います。
これまで随所で今後の資産バブルになる可能性についてお伝えしてきたかと思います。
ですが、どうやらテレビなどマスコミを通じて発信されるメッセージは、バブル崩壊の足音のことばかりが取り上げられており、バブルの本質とは大きく違っていることが多いです。
バブル崩壊の手前側では必ずと言っていいほどリスク資産のバブルが発生するというプロセスを踏みます。
すなわち、現状の位置からバブル崩壊の可能性があるのは債券市場くらいです。あとは低金利によって活況になっている不動産市場でしょうか。
今の株式市場には短期的な売りを仕掛けられても暴落する程のエネルギーが溜まっていないのが現状です。
今後の流れとしては、この債券市場に避難しているお金が徐々にリスク資産に染み出てきて株高になる可能性があり、そのトリガーとされるのが各国当局の金融緩和に違いないでしょう。
実際には米FRBが利下げするから株高になるというわけではなく、当局の流動性供給および各国政府の財政出動により市場で眠っているお金が活発化することによって資産バブルの最終局面が演出されることになります。
歴史的にみましても、バブルはいつも意図的に作られては崩壊するといったことを繰り返しており、おそらく今回は“AIバブル”とでも言うべき最新テクノロジーにちなんだバブルでしょう。
これは先週の8/17あすなろ納涼祭SP『~お盆休み明けの相場展望~』でも書きました。
このシナリオ通りに動かすために、いろいろ世界情勢の悪材料に注目が集められるという構図で、投資家はこれに惑わされてはいけません。
上記の金融当局が政策発動するためには劇場型の暴落“風”な演出をする必要があり、ここから先は緊急性を滲ませながら各国は金融緩和を強めていくのではないかとみています。
先のドイツがいち早く財政出動に動いていたことからも、これから先は国家がお金を使う時代に入ってきます。
これまでお金を使ってきたのは個人消費や企業の設備投資であり、これらの債務が膨らんでいることは誰の目から見ても明らかです。
今後、株価上昇のカタリストとなるのは国が大型の経済対策を打つなどの景気刺激策です。
米国はトランプ政権の下で強力な利下げ圧力をほのめかしていますが、利下げしたがっている本当の理由は単なる景気下支えではなく本格的なバブルを生み出すことを目的化させています。
それを裏付けるのが、米国ではQE4の議論が始まっただけでなく、投資銀行の自己売買を制限するボルカー・ルールを緩和する動きまであります。
これによって、プライベートエクイティー(いわゆる未公開株)やヘッジファンドへの投資について規制が緩和されると今後は貪欲でより暴力的なマネーが資本市場で舞い踊ることとなります。
日本はおそらく米国利下げの副作用として円高を受け入れなければなりませんが、今後は円高の下での株高となる可能性があります。
最近の株式市場が為替離れしてきているのはその前兆と言えるかもしれません。
したがいまして、目先の下振れは“天与の買い場”であり、弱気の投資家やリスク管理の苦手な投資家はここで振るい落とされます。
9月にはこれまでの米中摩擦やブレグジット、中東・東アジアの地政学といった様々なリスクを織り込む作業が完了し、2020年に向けた壮大なバブル相場に足を踏み入れることになります。
いよいよ来週8/26(月)を境にして株式市場では世界全体の未来を左右するマネーゲームが本格化していくことでしょう。
8/1にご紹介した野村HD(8604)の株価がその後堅調に推移していることを見逃してはなりません。
今後は大和証券G(8601)やSBIホールディングス(8473)といった証券株、さらにはヒロセ通商(7185)、FPG(7148)、Jトラスト(8508)のような金融関連株の動きにも注視して、株式市場のバロメーターとしておくとよいかもしれません。
【 相 場 の 格 言 】
『人の行く裏に道あり花の山』
それでは来週も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
大和証券G(8601)
SBIホールディングス(8473)
ヒロセ通商(7185)
FPG(7148)
Jトラスト(8508)
執筆者:加藤あきら
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