今後の相場におけるポイント整理、相場が動き出すタイミングについて
今晩がレイバーデーで米国市場が休場となる中、米中の貿易関税は予定通り9/1に発動されることとなりました。
本日のマーケットが先週末から多少弱含んだのはそれを織り込む動きだったと思いますが、実際にはほとんど小動きと言ってよいでしょう。
中国株も上昇しましたし、週末の香港デモの激化が予想されていた中、死者を出すことも無く通過できたことは私たちが考える以上にポジティブ要因だったと言えるかと思います。
中国は10/1の国慶節までの間に何としてもこの香港デモを鎮静化させておきたいと考えていることでしょうから、あと1ヵ月は気が抜けない時期に入ってきますね。
情勢で気が抜けないのは米国の債券市場も同様で、10年債利回りは1.50%付近での推移し長短逆イールドも継続しています。
おそらく9月の米FOMCで利下げされるかどうかが明らかになってこないと、大きな動きは出て来ないのかもしれません。
これだけ米国債が根強く買われている背景には世界情勢の不透明感があることは間違いありませんが、運用サイドの事情も大きく関わっていることと思います。
世界の債券プレーヤーは今、膨大な含み益を抱えている状況と言え、これをどこで利益確定させるのが望ましいのか、隣の顔色を窺いながらポジションを抱えているとみられます。
年内に益出しするのか、あるいは年をまたぐのか、非常に悩ましいところでしょう。
個人投資家で言えば、ずっと堅調な動きを続けているREITをどこで利益確定させるのか悩むのと似ている気がします。
どこかでこの債券を売って株を買う動きが出てくると市場の値動きも違ってくるのでしょうが、きっかけが必要です。
以前からお伝えのように、もしこれが政策発動のタイミングと重なってくるとすれば、9月中頃~10月にかけてのところが最も可能性が高いかもしれません。
とくに中国は香港デモを抑えながら9月11日・12日の香港「一帯一路サミット」をうまく乗り切らなければなりません。(これは陰謀論でなくとも9.11と重なりちょっと嫌な日柄です…)
そう考えると10月かな~となりますが、現時点では米国における9月・10月ともに利下げ観測が高まる中、最も市場インパクトが出やすいのは9月とみられます。
であれば、トランプ米大統領はここぞとばかりに抜け目なく米中閣僚級協議以外のポジティブ材料も出してくるかもしれません。
本日の動きを見る限りでは日経平均が下げたと言えど、景気敏感の東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)がしっかりで、それに続く住友金属鉱山(5713)などの非鉄金属、太平洋金属(5541)などの鉄鋼も買われました。
これだけ先行指数の景気敏感株が買われていて、先週のようなリスクオフとはとても言えない状況になりつつあります。
これはつまり、株価上昇の下地がしっかりと整ってきていることを意味しています。
あとは繰り返しとなりますが、きっかけだけとなります。
本格上昇前に下げる場面があるとすれば、それはもう振るい落とし、フラッシュ・ショックの類と割り切って買い進んでいく必要があるでしょう。
8月に入って当コラムでご紹介した野村HD(8604)や素材のメック(4971)なども強い動きを続けているということはそういうことです。
あとは吉野家(9861)やジャパンミート(3539)など米国産の牛肉関連で強含みで推移していることも併せて考えれば、個別株にはチャンスが転がっています。
今後におきましては香港などのきな臭い情勢も加味しながら、帝人(3401)をはじめ東洋紡(3101)、日新電機(6641)、三菱化工機(6331)などの設備投資、景気浮揚関連を狙っていきたいところかと思います。
【 相 場 の 格 言 】
『すべてが極めて確実であるように見える時でも、それが極めて不確実な状況であることを熟練したトレーダーは知っている』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
帝人(3401)
東洋紡(3101)
日新電機(6641)
三菱化工機(6331)
執筆者:加藤あきら
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