本日のお取り組みもお疲れ様でした。

昨日の大幅上昇から続伸となった日本株、投資家心理も少しずつ改善に向かってきているかと思います。

昨晩の米国市場ではかねてから注視してきた米国債の利回りが急反発しました。

世界のマネーが集中している米国債が売られ、マーケットが事実上リスクオンに傾いてきたサインだと考えています。

景気後退、景気後退と言われて久しい長短金利の逆イールド現象も解消し、今後の株高を示唆するものとして捉えても問題ないでしょう。

まあ、金融政策が変更されると株高局面であってもバブルの場合にはまた逆イールドにはなってしまうものなのですが、ここでは株高にさえなってくれれば良しとしましょう。

ただ、信用評価損益率などはあまり改善していないので、マザーズなどの新興株が上昇についていくことができずに、個人は含み損を抱えている投資家がまだ多いのではないでしょうか。

これは日本に限ったことではなく、米国市場でも指数先行でラッセル2000などにみる中小型株はNYダウの動きについていくことが出来ていません。

それもそのはずで、ついこの前までリスク回避で安全資産の米国債を買っていた資金ですから、急に真反対のリスクが高い中小型株に一気に移ってくることは考えにくいでしょう。

やはり物事には順番があって、リスクオンに傾いたマネーはまず日経平均先物などの指数を買って、大型の個別株を買って、そこで循環物色があり、徐々に中型株、小型株と資金は段階的に移動してくるものです。

現在は昨日のように先物主導で買われ、そこで裁定取引の解消が起こり、大型株をセクターローテーションしてくる段階にあると言えます。

半導体やエレクトロニクスの次に動いてくる非鉄や化学などの素材株が動いて、今日は機械株、自動車株が動いてきましたね。

資金は確実に回っており、個人投資家は主力株に短期資金を回すか中小型株で待ち伏せ投資を続けるかの選択に迫られることとなります。

このコラムではご愛読いただいている投資家層が非常に多岐にわたっていることを鑑みて、主力の大型株、中型株、小型株問わず満遍なくご紹介するようにしております。

目先は大型株の方が資金が動いていますので取り組みしやすいかと思いますが、各人の投資スタンスによって主戦場は異なってくるはずです。

狙っている値幅や時間軸を明確にした上で物色する銘柄を絞っていきたいですね。

とくに資金を増やす段階では分散投資をやっても望むような結果は得られません。

限られている資金を集中させて短期で取り組むのか、あるいは同じ資金を何回にも分けて中長期で徐々に株数を増やしながら取り組むかは、銘柄の特性に合わせて戦略も変えていかなければならないところでしょう。

セクターローテーションの流れから旬を迎えてきているのは化学あたりかと思いますので、住友化学（4005）や三菱ケミカル（4188）、東ソー（4042）、エア・ウォーター（4088）などが良さそうです。

あとは自動車株に動きが出てきておりますので、周辺のゴムや自動車部品なども動きが良くなってくるでしょう。住友ゴム（5110）は75日線突破で次に100日線にトライする場面。フタバ産業（7241）は自動車のマフラー最大手で、200日線を超えてからは徐々に強含みんできています。

消費関連ではオリエンタルランド（4661）や任天堂（7974）などのエンターテイメント系が非常に強いのですが、物色動向の変化も見越してエイチ・アイ・エス（9603）やリゾートトラスト（4681）などに軸足を移していくのもよいかと思います。

いずれ金融株や不動産株なども強含んでくるのでしょうが、金融は上値が重そうで興銀リース（8425）や三菱UFJリース（8593）などのリース系に限られそうですね。
不動産なら東急不動産（3289）が事業領域を拡大させていて成長株としての側面も評価され始めてくるかもしれません。

これまで相場を幾度も崩してきたリスクパリティ型ファンドが指標にしているVIXも一気に低下してきておりますので、あともう一段低下すれば今度は一気に買いプログラムが発動してきそうです。


【 相 場 の 格 言 】
『相場の道を往く者は孤立無援の一人旅
　孤独地獄の戦いに勝利してこそ花が咲く』
（山崎桂）

それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。

【本日ご紹介した銘柄】
住友化学（4005）
三菱ケミカル（4188）
東ソー（4042）
エア・ウォーター（4088）
住友ゴム（5110）
フタバ産業（7241）
エイチ・アイ・エス（9603）
リゾートトラスト（4681）
興銀リース（8425）
三菱UFJリース（8593）
東急不動産（3289）

執筆者：加藤あきら