日経平均が一時22,000円回復で市場センチメント大幅改善!10月に向けた戦略は?
あすなろ投資顧問
大文字(だいもんじ)恭平
でございます。
先週の日経平均株価はとにかく強いの一言に尽きる内容でした。一週間の値動きですが、月曜日の安値21,182円から金曜日の高値22,019円までは、837円の上昇となっていますね。当コラムでも指摘していましたが、トヨタ(7203)の上昇にその強さを見ることが伺えます。トヨタ自動車は、2018年の1月から継続していた下落トレンドから一転して、買い優勢となっています。もちろんそれのみをもってして、株価の上昇を予測できるわけではありませんが、やはり日本一の時価総額を誇る会社がおねんねしていては日本市場も盛り上がりに欠けますよね。
他にも、メガバンク3行が軒並み大幅上昇となりました。三菱UFJ(8306)あたりも下落トレンドに終止符を打つかのような上昇でした。三井住友(8316)やみずほ(8411)も大きく上昇に転じていますが、まだ週足や月足などのチャートで見ると、本格的なトレンド転換とは言えない点が気になるところです。ただ自動車関連はトヨタ(7203)のみならず、本田技研(7267)やSUBARU(7270)なども買い戻しが強まってきていますね。
自動車関連は今後の業績に不安を抱えていますが、その一方で、行き場を失ったマネーが世界中でジャブジャブ溢れているわけです。先週木曜日にECBが追加の金融緩和を発表しましたが、世界的に需給相場が継続するとの観測が強まっており、行き場を失ったマネーが信頼度の高い企業に一斉に向かっている事などが考えられますね。
通貨安競争も激しさを増している印象です。特にポンドドルの攻防が激しくなっていますね。実際にはどの程度の攻防が続いているのか不透明ですが、ポピュリストのジョンソン首相と、同じくポピュリストのトランプ大統領の攻防はこれから激しさを増してくるのでは無いでしょうか。この通貨安競争が結果的に円相場にも影響を与えますから、為替変動による影響を受ける企業などは、見極めて取り組んで行く必要があります。
足元の世界の懸念材料としては、1,景気が減速懸念、2,米中の貿易戦争の行方、3,イギリスのハードブレグジット。これ以外にも様々な問題がありますが、実際に株価は急激に転換しています。これが足元の相場の実際です。このような急上昇局面では、中身の良い銘柄をしっかりと保有し、利益をどれだけ引き伸ばせるかもポイントですね。
さて、今投資家にとって気になる点は、現在の日経平均の好調がどの程度続くのか?
そして、10月から始まる消費増税の経済への影響は?株価は?様々なトピックがあります。今回は10月以降の全体的な戦略について少し考えてみたいと思います。
9月は夏枯れ相場を乗り越えた反動から、大型株を中心に急反発しました。この勢いが継続し、来週控えているFOMCを通過しても堅調に推移する場合、一旦山を作るのは9月の末頃ではないかと見ております。実は昨年の9月も日経平均が一気に上昇し、10月頭に年初来の高値を取りました。当時売りが出たのは10月の初旬です。現在の株高が9月末まで継続するのであれば、10月の消費増税と言うわかりやすいイベントに合わせて、仕掛け的な売りが来る可能性は考えられますね。
ただ、何も慌てたり、恐れる必要はありません。逆に言えば、現在持っている銘柄はなるべく利益を引き伸ばしながら9月いっぱいまで様子見し、そのまま堅調に推移するようであれば9月末で一旦利益確定し、キャッシュポジションを固めると言った対策が思い浮かびます。
さらに、10月に仕掛け的な売りが出た場合でも、逆説的に言えば、10月が再投資を仕掛ける良いタイミングになるのでは無いかと思われます。もちろん、そのとおりになるとは言い切れませんが、予め9月から10月中頃までシナリオを立てておくのも資産運用する上で重要と言えますね。特に「いつ売ればいいかわからない」「いつ買えばいいかわからない」と言った投資家は、上記のようにシミュレーションしておくことも重要と言えるでしょう。
来週も強い展開が予想されます。このタイミングで「株を買っていなかった!!」と言ったことの無いようにだけしておきたいですね。
本日はここまで!
それではまた来週!
執筆 大文字(だいもんじ)恭平
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