中東の地政学リスクが再燃も株式市場は通常運転
3連休明けの東京市場は売り先行でのスタートとなり先週末のSQ値を朝方に割り込む場面もありましたが、しっかりと値を戻して引けました。
週末のサウジアラビア製油所襲撃のニュースはビックリしましたが、昨晩の米国市場ではそれほど反応していなかったので比較的冷静に週明けの相場を見れたかと思います。
サウジアラビアとイランをめぐる中東情勢は近いうちに大どんでん返しが起こってもおかしくはないのですが、今のところ米国はサウジアラビアを支持するとのことですので、現状では波乱要因として極端に意識しなくてもよいのかもしれません。
物色の中身はまだ主力株優勢の流れが続いている印象ですが、原油高にすかさず反応した商社株・資源株以外は金融・不動産などの内需株を中心に資金が向かっています。
景気敏感のシクリカル銘柄に上昇一服感が出始めてきたことで、バリュー株物色やディフェンシブ株に資金が回ってきているとみられます。
本日は中小型株の指数もしっかりだったのですが、マザーズ市場では企業ガイダンスで大幅安になった銘柄が極端に売り浴びせられているのが気にかかりました。
この時期に新安値をつけてくる銘柄は需給バランスが極めて悪化しているとみられますので、下がっているからと言って安易に手を出してみたり、ナンピン買いしてみたりしたら大惨事を招く可能性があります。
相場格言でも「落ちてくるナイフは掴むな」とよく言われますので、少なくとも下げ止まりを確認してから手を出すくらいの余裕は欲しいところです。
市場の注目は目下、各国の金融緩和ラッシュに目が向かっていますので、今週末の米FOMC・日銀金融政策決定会合を通過するまでは高原状態で揉み合うことになるかと思います。
問題はその後ですね。
個人的にはいつも言っておりますように債券市場の金利動向次第と言えますが、足元ではVIX指数が15ポイントを切っている間はリスクポジションを取って利益を引っ張ってもよいと考えています。
あとは為替水準でどこまで米国がドル高を容認してくれるか、トランプ大統領が急にトランプ砲を発動したりしないかを注視しておく必要があるくらいです。
中小型株の値動きがいっこうに改善してこない背景には上期のパフォーマンスを集計してファンドの解約売りといった要因があるかもしれませんが、時期的にはそろそろ収まってくる頃かと思います。
秋口にかけてはこれまで敬遠されてきたグロース株の見直し買いで株価が底上げされてくるイメージでお取り組みいただくとよいかと思います。
トヨタ自動車(7203)が本日も年初来高値を更新してきておりますので、中小型では防衛関連としての側面を持つ浜松ホトニクス(6965)の出直りを物色したり、自動運転者や宇宙開発などに強みを持ったセック(3741)、新興国需要を取り込む日信工業(7230)のような会社を発掘していきたいですね。
【 相 場 の 格 言 】
『我々が歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ。』
(ウォーレン・バフェット)
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
浜松ホトニクス(6965)
セック(3741)
日信工業(7230)
執筆者:加藤あきら
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