【相場を観測する】チャートを用いて詳しく解説します!
はじめに
一般的に株式投資は「株価」を割安(低PER、低PBR、高ROE)だ、と評価して判断・行動する人が多い。また、相場の説明や解説は材料重視で語られることから、材料を評価し株価の“騰落”(価格変動)のみを考えることが一般的常識となっている。
その反面、連続する株価の推移(波)を捉えて「相場変動」を考える人は極めて少ないようだ。
つまり“材料”のみを気にして「価格変動」を考えることが主流となっている。その結果、『偶然性の追求』となり、株式投資で重要な「相場変動」を軽視・無視する傾向が強まってしまうのである。
よって、株式投資は“相場をやる”ことであり、そこには固定観念や思い込みなどを排除する努力(常識を疑う常識を持つ)が必要だ。
何しろ、株式投資には「株価変動と相場変動」の二つのリスクが常時つきまとっており、リスクに対する敏感さが求められるものだ。
“理屈を通せば道理が引っ込む!”と言われるように、株式投資を「理屈一本槍!」でするか、あるいは素直に相場の「道理!」に従うかが分岐点となろう。
したがって、相場は“どう動けばどうなる”か、を知ることで『必然性の追求』が重要となる。
まず、最初に「波動」を認識し「方向性」を予測(予想ではない)すること。次に「水準」を観測しておくことが大事だ。これが“相場観測”となる。
以上の相場観測は、非常に簡単であることから軽視されがちだが『簡単明瞭』で利用価値が高く重要視したいものである。是非、お試しあれ!!
~以下、相場の観測~
【日足参照】
※チャートをクリックすると拡大チャートが表示されます
・昨年12月安値(A)19,155円を基点とする上げは、今年4月(D)22,307円を高値に反落した。同高値(D)22,307円以降は、安値(E)20,408円~高値(H)21,756円~安値(I)20,261円と推移し、下げの三波動形成(D~E~H~I)からの切り返しとなった。
・また、安値(I)20,261円を基点とする上げは、高値(J)22,098円~安値(K)21,341円を経て直近高値(L)22,799円と上伸し、前高値(J)22,098円を上回り上げの三波動形成(I~J~K~L)へ進展している。
・さらには4月高値(D)22,307円の更新で安値(I)20,261円が前安値(A)19,155円から切り上がったことから、昨年12月安値(A)19,155円以降のやや大きな波動も三波動構成(A~D~I~L)入りとなっている。
・値幅と水準面では、安値(I)から高値(J)までの上げ幅1,837円(I~J)と前上げ幅1,348円(E~H)から拡大し、やや前値幅1,899円(D~E)の影響を受ける格好で反落した。ただ、安値(K)21,341円までの下げ幅が757円(J~K)と上げ幅1,837円に対して小幅に留まって切り返して高値に進んでいる。
よって、現在は上値トライの経過となっている。(※上値(観測水準)については、下記の週足で記載)
・また、安値(I)20,261円を基点とする上げ基調を維持するには反動安値幅が757円(J~K)程度に収まることが条件となる。同値幅を上回ると下げ幅の拡大に繋がりやすくなる。※時間関係(バランス)にも留意しておきたい。
・その場合の値幅(前騰落値幅から)としては、①1,348円(E~H)や②1,495円(H~I)のほか、③1,899円、④2,046円が挙げられる。
・ただ、値幅①や②で収まることができれば出直りのタイミングをうかがう経過へつながる可能性があることから下げ幅とその下値水準に焦点が移る。(数値基準日:2019年10月25日)
【週足参照】
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・2018年高値(O)24,270円からは下げの三波動(O~P~Q~R)構成となった。また、戻り高値(Q)~安値(R)までの下げ幅▲3,419円は前下げ幅▲3,121円(O-P)からやや拡大する短期二段下げとなった。
・ただ、高値(O)24,270円から安値(R)19,155円までの下げ幅▲5,115円は前騰落値幅(下げ幅)▲5,060円(C~D)にほぼ見合う格好(55円差)で急反発した。
・高値(O)以降の短期第4波動は、基点の安値(R)19,155円から4月の戻り高値(S)22,307円までの上げ幅が△3,152円と前値幅▲3,121円(O~P)から拡大し、その水準22,276円を上回った。
・さらに、高値(S)22,307円以降の調整局面(ボックス相場)は、安値(T)20,261円までの下げ幅が▲2,046円(S~T)とやや拡大したが値幅△2,385円(L~M)の範囲に収まって切り返した。
直近では(U)22,799円(安値Rからの上げ幅△3,644円)と前高値(S)22,307円を上回り前値幅(△3,653円:L~O)の水準22,808に急接近している。
よって、現在は4月高値(S)22,307円を上回り、安値を切り上げ(R19,155円<T20,261円)を形成したことから上値を追う経過となっている。
・また、上値22,808円=R+(O-L)を上回ると一旦伸びやすくなる可能性がある。
・その場合、上値は以下の水準が挙げられる。(数値基準日:2019年10月25日)
(1)23,093円=R+(A-B)
(2)23,178円=日足参照:K+(J-I)
(3)23,413円=T+(S-R)
(4)24,005円=R+(K-J)
(5)24,151円=R+(O-J)
(※)24,270円…昨年高値(O)
(6)24,353円=S+(S-T)
ただ、高値トライの経過も反動安が生じた場合は、日足で述べたとおり“値幅”に留意したい。
執筆:長森伸行
≪執筆者略歴≫
元山一證券投資情報部次長・国内で「一目均衡表」チヤート分析の第一人者。元日本テクニカルアナリスト協会セミナー講師で「一目均衡表」を担当。証券業会に50年間携わった重鎮、自立して儲けられる投資家のインストラクター的な存在。
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