株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

(一社) 人工知能学会:18801(公社)日本証券アナリスト協会:01159

あすなろ投資顧問

2020-02-03 08:45:00

加藤あきらの投資戦略室

緊急全体フォローその4!週明けは中国市場の新型コロナ・ウイルスを織り込む相場、急落時の対処法は?

先週末の米国市場はNYダウが一時689ドル安の28,169まで急落、終値ベースでは▲2%超の603ドル安となったため、下落トレンド入りが明確になりました。

とくに米10年債利回りの著しい低下により資本市場ではマネーがリスク回避の動きを示しており、ジャンクボンドも50日移動平均線割れ、さらにVIX指数が急上昇して18.84ポイントに達しています。

ようやく米国市場が下げを手当てするために、慌ててプット・オプションを買い込んだものと思われますが、現在のところ最重要リスク指標であるジャンクボンドは先週の安値を割り込むまでには至っておりませんので、まずはこれがどこで下げ止まるかを確認しなければなりません。

相変わらず猛威を振るっている新型肺炎の話題ですが、特段新しい材料が出てきているわけではなく、強いて言えば米国が中国への渡航禁止を勧告したことくらいです。

むしろ本日以降では中国の上海市場が春節明けで市場再開となりますので、まずはここでどれほどの下げを織り込むかといったところになるでしょう。

中国は連休中にこれに先がけて、中国人民銀行による18~19兆円規模での大規模な公開市場操作を実施することを決め、株式市場ならびに人民元相場を下支えすることを発表しました。

これによって、先週末の米国株の下げ影響は限定的なものにとどまる可能性はありますが、日本株も同じように▲2%程度を見込んでおく必要があり、日経平均は先週末終値23205円に対して22740円付近がターゲットになってまいるかと思われます。

これ以上下げるようならば一旦は売られ過ぎとみておく必要があり、必要十分なキャッシュポジションを確保できていれば、それ以上の狼狽売りはかえって資金回復を遅らせてしまうことにつながりかねません。

まず、今週中にでも一番底を確認できるようになると思いますので、このウイルスネタだけで見ればセリングクライマックスが近いとみておいてよいでしょう。

そこからもし、ジャンクボンドが上記の安値を切れて掘り下げてくるような動きになれば、下げが加速して二番底をとりにいく動きとなる可能性がありますので、先週同様に慌てずに戻りを確かめながら戻り売りでキャッシュを気持ち厚めに確保しておくとよいかもしれません。

ここ2~3週間下落が続いている商品市況ではほぼ昨年夏場の大底圏までいち早く値下がりしてきており、中国が市場の下支えに動いてきた以上はそろそろ下げ止まりでしょう。

原油価格も51ドル台まで低下しておりますので、ここから一段安となるにはそれ相応にマクロ経済の動向が悪化することが無ければ考えにくいと言えます。

よって、今朝方は先週キャッシュポジションを確保し切れなかった方はとくに慌てて狼狽売りすることは厳禁です。

前回フォローで申し上げたのとは逆に、前場10時~10時半ごろまでに売り物が出てくることを想定しつつ、上海時間が始まった後のお昼頃にかけての下げ止まりをまず確認しましょう。
その後、14時頃までの間にある程度の戻りが見られれば、そこで多少の戻り売りを検討するくらいの方がよいかと思います。

あくまでも現状の目安ではキャッシュポジション「3割」ですので、もしこれ以上に売る必要がある場合は上記のジャンクボンドが下値を割り込んでくる必要があると言えます。

所詮、足元の調整局面としてみた場合に、日経平均では高値24115円に対して22000円割れのところまででバリュエーションが効き始めてくるかと思います。
あとは値幅だけでなく、日柄の調整期間が重要になるところで、IMFが各国に金融緩和維持を求める動きを見せたことからも日銀などの中央銀行が動き出してくるのも時間の問題になってくることでしょう。

本日のショック安はリスクパリティファンドの月次リバランスから避けられないものと言える反面、当然ボラティリティが落ち着いてくれば債券のウェイトが高くなり過ぎるために再び株式に資金を流し込んでくることになります。

つまり、それ以降は乱高下しながら、投資家の見切り売りと値ごろ感からの押し目買いで一定のレンジを形成してくる可能性が高いと思われます。

本日はとくに中国関連で直近売られたところの銘柄を中心に見ておくのと、あとは何と言ってもマーケットの出来高です。

セリングクライマックスと判断されるには相応の出来高が膨らむ必要があり、これが確認できなければ底入れには時間がかかるとみておく必要があります。

以前から申し上げておりますように、何よりも自身のポジション管理が最重要で株価が反発するならガマン、下落するなら狼狽売りでは話になりません。
キャッシュポジション「3割」はどちらのシナリオにも対応できるため、下手に予想せず機械的にポジション管理していきましょう。

このキャッシュポジション「3割」というのは、個別株のボラティリティはどの株でもある程度3割下げれば下げ止まってきますので、底がついてから買い向かえばその後のリバウンドで資金回復が劇的に早まるからです。

足元でポジションを調整した後はやはり2月中~下旬ごろを目途に買いに転じていきたいところと言えるでしょう。
計ったかのように本日は2月3日で『節分天井、彼岸底』の相場格言がありますが、近年はこのアノマリー通りの現象がみられることは少なくなっており、ややもすると【節分底】となる可能性もあるでしょう。

各国の中央銀行がどのように緊急対応策を講じてくることになるのかよく監視していきましょう。

▼【加藤あきらの投資戦略室バックナンバー】▼
※詳細はコチラをクリック※

【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
 あなたは富を築くことができる。』
(マーク・リッチー)

それでは本日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆者:加藤あきら

無料新着記事

記事一覧へ

今ご登録で特典5銘柄+大石銘柄+5000ptをプレゼント!

今すぐ無料登録 クリック