株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

(一社) 人工知能学会:18801(公社)日本証券アナリスト協会:01159

あすなろ投資顧問

2020-02-04 08:45:00

加藤あきらの投資戦略室

緊急全体フォローその5!コロナウイルス・ショック一巡から様子見相場へ

コロナウイルス・ショックは一巡!?
実際の感染拡大にはまだ歯止めがかからない模様ですが、徐々に治療法が明らかになってくるなどポジティブニュースが出始めたことからひとまずこのコロナウイルス・ショックは一巡してきたようです。

ただし、昨晩の米国市場は反発となりましたが、前週末の600ドル安に対する戻しは3分の1以下にとどまっており、米10年債利回りも1.526%と昨年8月以来の水準でリスクオフムードが転換しておりません。

昨日では外資系ポジションが大きく買い戻されていますが、全体としてはフラットでひとまず中立の状況と言えます。今後、買いでも売りでもどちらに傾けてきても不思議は無いと言えます。

かねてからお伝えしてきましたように、2月中旬、具体的には2/14までは決算発表シーズンであることに加え、ちょうどSQと重なってきますのでそこまでは気が抜けずボラティリティが拡大する可能性が残っていると思っておいた方がよいでしょう。

ただし、昨晩発表された米1月ISM製造業景気指数は市場予想48.5を上回り50.9と50ポイント台を回復し、新規受注、生産ともに大きく改善がみられました。
とくにIT機器・電子製品の回復が強まっている一方で、輸送用機器の減速が続いているとみられることから中身としてはかなり明暗が分かれているように思えます。

いちおうこの数値には新型ウイルスの影響が入っていないわけですから、現在と比べて割り引いて考えておく必要はありますが、少なくとも米製造業に回復の兆候が出始めていたことには変わりありません。

本日はトランプ米大統領の一般教書演説が控えており、市場にとって何らかのポジティブ材料が飛び出す可能性もあり、売り方は仕掛けづらいことでしょう。

リスク指標のジャンクボンドは切り返しておらず、原油価格が50ドル割れと景気回復にブレーキがかけられることを示唆する動きから、本日は買い戻される銘柄は反発するとみられますが、全体としては様子見ムードが広がりやすいでしょう。

突破口になると考えられるのは昨晩の米国市場で中国株ETFが反発を見せていることから、昨日8%近い暴落となった上海株が反発できるようだと、過度なリスク回避の動きは徐々に落ち着きを取り戻すことになろうかと思われます。

もう一つ気にかけておきたいのは先立ってから申し上げている欧州経済の動向です。

ひとまず1/31に英ブレグジットが実行に移され、英ジョンソン首相はご満悦ですがEUとの間でFTAを締結できるか、またその意思があるかどうかが疑わしくなっています。
英国はこのFTAが実現しなければ、EUとの間で10%の自動車関税が復活することとなりますので、ただでさえ企業の撤退・縮小が相次いでいる自動車業界の動きが加速しかねないと思われます。

引き続きこの欧州経済の動向は当面の間、注意深く監視していきましょう。

さて、昨日は電力株がそろって反発、内需ディフェンシブ株への資金シフトが鮮明化して東京電力(9501)はじめ北陸電力(9505)なんかは好決算と配当復活で大幅高になっています。

値上がり業種で電力・ガスがトップだったのは足元で債券に資金が向かっているのと同様に典型的なリスク回避の動きですが、2位の不動産、3位の医薬品の中で買われている銘柄を洗ってみると株式市場全体から資金が抜けているとも言えません。

とくに先日コラム内でも書いた不動産株などはこの地合い難に左右されることなく、堅調な足取りのものが多く見受けられます。

さらに、不動産と関連づけて見ておきたいのが倉庫・運輸関連のセクターで、安田倉庫(9324)などが決算発表前にもかかわらず逆行高を演じて年初来高値を更新してきているではありませんか。

新型ウイルス感染拡大から「モノの流れ」にブレーキがかかるのであれば、これは辻褄が合いません。
キューソー流通システム(9369)なども地合いに抗いながら株価は上値を窺っているように見えます。

そんな中でコンデンサ最大手の村田製作所(6981)が昨日決算発表を行い、単に足元の業績が回復してきていることに収まらず、決算説明会で自動車向けのコンデンサ在庫調整が大手メーカー向けにほぼ解消していることを述べておりました。

なんやかんやで半導体株が、米SOX(フィラデルフィア半導体株)指数の弱含みがあっても比較的下げていないところを見れば、これまでのトレンドが崩れることは想定しづらく、地合いの改善とともに買い戻しの動きと押し目を待っていた投資家のニューマネーが流入してきやすいと言えるでしょう。

相場では買いづらい株ほどよく上がるものです。
一方、自分の思った株価で買えてしまうような株だと買った途端に値下がりするなんてことがよくあるかと思います。

上記のISM製造業景気指数の結果からも、回復が鮮明な半導体関連の押し目買いが最も有効打となりそうですね。

本日は外資系に対して個人はまだ売り継続の模様ですから、朝方は10時頃にかけて買い戻しが先行すると思われ、その後は中国次第と言えます。

したがって、本日は引き続きポジション管理に軸足を置きつつ、飛びつき買い・狼狽売りは避けて一旦冷静な平常心を取り戻す一日にしてまいりましょう。


▼【加藤あきらの投資戦略室バックナンバー】▼
※詳細はコチラをクリック※

【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
 あなたは富を築くことができる。』
(マーク・リッチー)

それでは本日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆者:加藤あきら

無料新着記事

記事一覧へ

今ご登録で特典5銘柄+大石銘柄+5000ptをプレゼント!

今すぐ無料登録 クリック