【相場を観測する】チャートを用いて詳しく解説します!(第21弾)
~相場の観測~
【週足】=上値抵抗線超えが焦点=
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前回の「下降トレンドの脱出が焦点」(記:21/6/11)では、以下のように述べた。
(前回の『着眼大局着手小局No.20』はこちら)
「2週の戻りのあと騰勢が一服した。また、高値(Q)30,467円以降の戻り高値が切り下がる(30,467>30,216>30,089:レジスタンスライン)下降トレンド内の動きにとどまっていることから下降トレンドから脱することが焦点となる。」とした。
実際には、上値をうかがう動きがみられたが、高値(S)29,441円を経て反落し、上値抵抗線を超えられず下降トレンド内の動きとなった。
よって、ひきつづき下降トレンドから脱することが焦点となるほか、高値29,441円を上回ると反転を示唆する経過となる。
※上値抵抗水準(週末値)は、(7/9)29,296円、(7/16)29,224円、(7/21)29,188円、(7/30)29,128円、(8/6)29,069円
【日足】=下値切上げ形成が焦点=
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前回の「5月安値からの基調の維持が重要」(記:21/6/11)では、以下のように述べた。
「安値(T)27,448円から戻り高値29,149円(5/28)までの上げ幅が1,701円と第一動(O~P)1,724円の影響を受ける格好で騰勢が一服している。ただ、短期の戻りを試す経過となっている。ただ、安値(T)からの波動はひと波動であることから、ひと押し挟んで切り返し安値切上げ三波動構成(波動の転換・逆転)の形成が焦点とっている。」とした。
実際には、安値(T)27,448円からの上げ幅は、高値(U)29,441円まで1,1,993円と前値幅1,724円(O~P)を上回り2,062円(O~R)に迫った。その後反落し、直近値(V)27,940円までの下げ幅は1,501円(U~V)となっている。
よって、現在は上げ幅の拡大後の下げ幅が1,501円と前値幅1,684円の範囲内にあることや、現水準(V)が前安値(T)の上方にあることから直近の安値(T)27,448円を下回らずに切り返し、高値(U)29,441円を上回ると、安値切上げの形成から上値を試す経過につながる。
その場合、主な上値は以下の水準が挙げられる。
(1)30,252円=T+(O-N)
※2月高値(O)30,467円を上回ると上方向の示唆となる。
(2)30,848円=F+9,318円(16/6安値~18/10高値)
(3)31,479円=T+(O-L)
(4)31,614円=A+(A-B)
ただ、高値(U)を上回ることができずに安値28,010円(6/21)を下回ると、前安値(T)27,448円の維持に焦点が移ることになる。
その場合、下値は以下の水準が挙げられる。
(1)27,968円=U-(Q-P)
(2)27,757円=U-(S-R)
(※)27,448円:5月13日安値(T)
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【脳活 逆さチャート】
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~逆さの視界!~
通常は、上げならば右肩上がりになる。反対に逆さチャートでは右肩下がりとなる。
昨年来、“新型コロナウィルス”の「感染拡大」が嫌気、「感染者数の減少」を好感した。
また、ワクチンの接種状況が「遅い」、「予想以上に進んでいる」など、その日の相場が高ければ“好材料”を、安ければ“悪材料”を数ある材料の中から最も都合の良いものを用いて説明されるものである。
しかし、上げた相場にも買い手に対する“売り手”が存在し、下げた相場にも売り手に対する“買い手が”存在する事実がある。市場参参加者のすべての投資家の行動理由にはそれぞれ雑多であり決して一つではないのである。
市場は1対1が原則であり、価格は絶対“需給”で決まっている。さらに、価格の変化より相場の変化が重要である。
通常と逆さの絵(チャート)を見比べて何かを発見、気づきがあれば良しとしたい。
現象は予兆として、相場(チャート)が何かを投資家に伝え(発信)ようとしていることが多々ある。「気づくか見過ごすか、または、気にしない、関心がない。」の違いは大きいのではないだろうか。
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【フォーカス】 ※TOPIX日足チャート参照
~6月高値更新が重要~
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前回の「5月安値以降の基調の維持が重要」(記:21/6/11)では、以下のように述べた。
「5月13日安値(O)1,849pから直近高値1,962p(6/8)までの上げ幅が113pと拡大していることから上値を探る経過となっている。ただ、5月安値(O)1,849p以降の戻り基調を維持するには、反動安値幅が25p(終値ベース)ないし37p(ザラバベース)の範囲内に収まることが重要となる。これらの値幅を上回ると下げ幅の拡大につながりやすく、3月高値(L)以降の値幅から65p、103pなどが挙げられる。」とした。
実際には、6月16日高値(P)1,975pから安値(Q)1,899pまでの下げ幅76pと拡大した。その後は、反発もやや軟調に推移している。
よって、現在は高値(P)1,975pが前高値(L)2,012pを上回らずに反落したが、上げ幅が拡大したことから直近の安値(Q)1,899pを下回らずに切り返し、高値(P)を上回ると下値切上げとなり、今年3月高値(L)2,012pの更新が焦点となる。同高値(L)を上回ると新たな展開期入りを示唆する経過へと進展することになる。
その場合、上値は以下の水準が挙げられる。
(1)1,983p=O+(D-E)
(2)1,997p=Q+(L-K)
(3)2,024p=D+(D-A)
(4)2,051p=P+(P-Q)
※引き続きリズム変化(時間と値幅)による波動の反転(逆転)形成が焦点となっている。
ただ、直近の安値(Q)1,899pを下回ると前安値(O)1,849pを試す動きにつながりやすく維持が重要となる。同安値を下回るようだと新たな下値を探る経過となる。
その場合、下値は以下の水準が挙げられる。
(1)1,872p=P-(N-O)
(2)1,851p=P-(L-M)
(3)1,827p=P-(L-K)
(4)1,812p=P+(L-O)
(5)1,789p=L-(B-A)
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【先人からの伝言】
~二つの“待ち”の違い~
●ある程度の株式投資の経験で「理屈で相場は動くものではない」こと知る。しかし、「理屈頼みで動く」投資家が少なくないのが現実だろう。
また、市場に参入するとき、撤退ポイント(出口)を確認している投資家は少ないようだ。
その結果、理屈や期待に反する相場となったとき「そのうち戻るだろう!」と根拠のない期待をもって“我慢”する投資家に変貌することになる。
当初、短期的な投資だったにもかかわらず“長期投資”切り替えてしまうようだ。
材料や理屈に飛びつくのではなく、実際の相場状況を見てから行動することが大事であろう。
材料を評価するのではなく、相場を評価することが重要であろう。
買える相場(チャート)でなければ、買える相場(チャート)を迎えるまで待てばよいだけである。
一方、買ったあと値下がり銘柄を持つことには、悲痛な忍耐(力)が求められる。最悪のケースは、人にもよるが“我慢の限界”で手放すことになる。
このように、同じ時間を掛けるにしても、「待つ」と「持って待つ」では“似ても非なるもの”で、心の余裕に大きな違いが生じる。一考の余地があるのではないかと思う。
どちらを選ぶかは人それぞれだが、余裕のある“待つ”を相場(チャート)から学んでみては如何なものだろうか・・・
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【備考】(1)マザーズ(2)NYダウ工業株30種(3)ナスダック
★備考(1)マザーズ(日足)~基調を維持する経過~
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前回の「5月安値以降の基調維持に留意」記:21/6/11)では、以下のように述べた。
「現在は5月17日の安値(K)1,042pからの上げ幅は140p(6/11)と前上げ幅110p(I~J)を上回ったことから上げ幅の拡大が伴いやすい経過となっている。また、安値(K)1,042p以降の基調の維持には反動安値幅が31p程度に収まることが重要となるが、この値幅を上回ると下げ幅の拡大につながりやすくなる。その場合、値幅は86p、102p~110p、さらには137pなどが挙げられる。」とした。
実際には、5月17日の安値(K)1,042pの上げは高値(L)1,207pと上伸し、値幅も165pと拡大したあと反落している。直近値1,159p(7/8)までの下げ幅48p(≒直近の値幅49p)と基調を維持している。
よって、現在は下値1,158pを下回らずに切り返し、高値(L)1,207pを上回ると上値をうかがう経過の継続となる。
その場合、上値は以下の水準が挙げられる。
(1)1,215p=K+(H-I)
(2)1,234p=K+(H-G)
(3)1,252p=K+(D-E)
(4)1,279p=K+(D-G)
ただ、安値1,155p(6/21)を下回ると、下げ幅の拡大から下値を探る動きが生じやすくなる。
その場合、下値は以下の水準が挙げられる
(1)1,121p=L-(3/18-3/25)
(2)1,113p=L-(J-3/25)
(3)1,097p=L-(J-I)
(4)1,070p=L-(F-G)
ただ、下値探りも高値(D)以降の下降を否定する波動の反転(逆転)形成への進展が注目される。
★備考(2)NYダウ平均(日足)~第5波動延伸へ~
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前回の「5月安値以降の基調維持が重要」(記:21/6/11)では、以下のように述べた。
「現在は、5月安値(P)以降の戻り基調を維持するには反動安値幅が486ドル(5/14~19)ないし795ドル(5/12~14)程度に収まることが重要となる。これらの値幅を超えると下げ幅が拡大につながりやすく、前下げ幅1,190ドルないし1,206ドルの維持が焦点となる。その他、①1,269ドル、②1,386ドル、③1,609ドル挙げられる。」とした。
実際には、6月高値(Q)34,756ドルからの反落は前安値(P)33,587ドルを下回り、安値(R)33,290ドルまで下げ幅が1,487ドルと拡大した。
ただ、その後の切り返しで高値34,870ドル(7/9)と前高値(O)34,777ドルを更新し、安値(J)26,501ドルを基点とする基調の延伸となっている。
よって、現在は上値をうかがう経過となっている。
その場合、主な上値としては以下の水準が挙げられる。
(1)35,482ドル=J+(E-B)
(2)35,606ドル=N+(K-J)
(3)35,870ドル=K+(K-J)
(4)36,553ドル=E+(E-B)
ただ、6月安値(R)以降の戻り基調を維持するには反動安値幅が486ドル(5/14~19)ないし795ドル(5/12~14)程度に収まることが重要となる。これらの値幅を超えると下げ幅が拡大につながりやすく、前上げ幅1,169ドル、1,979ドルや2,091ドルなどの維持が焦点となる。
★備考(3)ナスダック(日足)~上値を追う経過~
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前回は「5月安値以降の基調維持に留意」(記:21/6/11)として、以下のように述べた。
「現在は14,020p(6/10)と上伸し、4月高値(O)14,138pをうかがう経過となっている。更新は安値(L)を基点とする3波動構成入り(L~O~P~?)となる。ただ、安値(P)以降の戻り基調を維持するには反動安値幅が141p程度に収まることが重要となる。同値幅を超えると下げ幅の拡大につながりやすく、564p(M~N)、916p(L~M)などが挙げられる。」とした。
実際には、5月安値(P)13,031p以降はほぼ一本調子の上げ基調を辿り、4月高値(O)14,138pを上回り14,701p(7/9)と上伸した。
よって、現在は3月安値(L)12,609pを基点とする上げ基調の継続で上値を追う経過となっている。
その場合、主な上値としては以下の水準が挙げられる。
(1)14,950p=8,109p+6,841p
(18年8月高値)+(09年3月安値~18年8月高値)
(2)15,173p=L+(E-D)
(3)15,245p=O+(O-P)
(4)15,409p=B+8,549p:09年3月安値~20年1月高値)
(5)15,581p=K+(K-L)
ただ、安値(P)以降の戻り基調を維持するには反動安値幅が144pないし170p程度に収まることが重要となる。これらの値幅を超えると下げ幅の拡大につながりやすく、352p、721p、916p、1,107pなどが挙げられる。
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新型コロナウィルスの感染症拡散事態が一日も早く終息し、平穏な日常生活を取り戻せるよう心から願っております。
新たな変異株、インド由来のデルタ株が第5波の引き金になると見られています。また、南米で感染が拡大中の「ラムダ株」と呼ばれる“最凶変異株”が上陸する恐れがあるとの警戒もされています。油断大敵!とにかく感染しないよう細心の注意を払い自身の身を守ることを最優先するのが大事かと。止まない雨はないといいます。希望をもって今を耐え乗り越えましょう!
オタガイニ(*^-^)/\(^-^*)ガンバロー!
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執筆:長森伸行
≪執筆者略歴≫
元山一證券投資情報部次長・国内で「一目均衡表」チヤート分析の第一人者。元日本テクニカルアナリスト協会セミナー講師で「一目均衡表」を担当。証券業界に50年間携わった重鎮、自立して儲けられる投資家のインストラクター的な存在。
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