【相場を観測する】チャートを用いて詳しく解説します!(第24弾)
~相場の観測~
【日経平均株価(週足)】=反動高へ=
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前回の「先高示唆」(記:21/9/10)は、以下のように述べた。
(前回の『着眼大局着手小局No.23』はこちら)
「8月20日には27,013円と安値に進んだあと切り返し、上値抵抗をクリアして急伸した。3週続伸で30,381円と上げ幅も拡大し、2月高値30,467円に迫った。高値更新で先高が示唆される経過となっている。」とした。
実際には、2月高値(Q)を更新し30,670円(9/14)を高値に安値27,528円と急反落したあと29,068円(10/15)と値を戻している。
よって、反動高からリズムの発生(未確認)で値戻しにつながり、高値(S)30,670円を試す経過となっている。
【日経平均株価2021(日足)】=反動高もリズムの形成が必要=
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前回の「TOPIXに支えられ方向を探る」(記:21/9/10)では、以下のように述べた。
「高値(H)28,070円を経て安値(I)27,013円と前安値(G)27,283円を下回ったあと反発した。上げ幅が3,368円と拡大し、2月高値(B)30,467円を上回ると先高の示唆となる。また、安値(I)27,013円を基点とする第一波動の高値を探る経過となっている。ただ、安値(I)27,013円からの基調の維持には、反動安値幅が787円ないし1,057円程度に収まることが大事。これらを上回ると1,473円、1,684円など、値幅の拡大につながりやすくなる。また、先高も第2波動の安値を確認するリズムの形成が必要となる。」とした。
実際には、反動安値幅が1,031円(I~K)と1,057円(H~I)の範囲にとどまり意識される格好となったあとの戻り高値(L)が30,248円と高値(J)30,670円を上回らずに安値(K)29,639円を下回り、8日連続安で一気に27,528円と急落した。ただ、高値(J)からの下げ幅は3,142円と拡大したあと反動高が生じ、値幅も1,540円(戻り率49.0%)となっている。
よって、現在は一旦戻りを試す経過となっている。その場合、主な上値は以下の水準が挙げられる。
(1)29,212円=M+(D-C)
(2)29,598円=M+(5/10-E)
(3)30,010円=M+(F-I)
(4)30,169円=M+(D-E)
(5)30,332円=M+(B-A)
ただ、安値(I)27,013円からの戻り基調を維持するには、反動安値幅が609円、787円、1,057円程度に収まることが大事。これらを上回ると1,473円、1,684円など、値幅の拡大につながりやすくなる。また、戻りを辿る動きも直近安値(M)27,528円に対する安値を確認するリズム(下値切上げ)の形成が必要となる。
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【脳活 逆さチャート】=要因やネーミングと相場!
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日経平均株価は8月20日を安値に急騰し、9月14日を高値に急落した。急騰局面では、要因や背景や見通しは、「ETFの買いが要因だ」、「市場は変化を期待している」、「衆院選で与党の自民党の議席を落とさず戦える見方がでた」、「次期政権の政策に期待した買いが入っている」、「新型コロナウイルス感染のピークアウトが背景だ」、「日本企業の業績アップが背景だ」、「日本株は割安だった」、「政局相場で理屈抜きで強気だ」、「外国人買いの復活だ」、「大相場が始まった」と威勢の良いコメントが飛び交った。
しかし、一転急落局面では「恒大ショックだ」、「岸田ショックだ」、「原油価格高騰による企業収益の圧迫懸念だ」など○○○ショックと名付けられたほか、「原油価格高騰」、「企業物価上昇で景気回復に冷水」、「悪い円安だ」などいろいろ要因が挙げられた。
この急騰と急落の両局面では、一瞬のうちに大変化した。背景や要因やショックのネーミングがどうであろうと、相場は“動くか動かないか”であり、動くとすれば“上か下か”となる。これが相場だ。「急騰」や「急落」も(逆さチャート)を観れば、今後の動きが短期の推測や想定もしやすいのではないだろうか。
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【TOPIX2021(日足)】=新展開期入=
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前回の「新展開期入り」(記:21/9/10)では、以下のように述べた。
「9月1日には、高値(J)1,975pを上回り下値切上げとなり、3日には3月高値(D)2,012pを一気に上回り年初来の高値に進んだことから新展開期入りを示唆する経過となっている。ただ、安値(Q)1,880p以降(第3波動:3波構成=I~J~Q~?)の基調維持には、反動安値幅が68pないし76p程度に収まることが大事となる。これらを超えると87pないし95pなど、値幅の拡大につながりやすく、先高も第4波動の安値を確認するリズムの形成が必要となる。」とした。
実際には、下値切上げ確定から上昇力を強め高値に進み、9月14日2,118pを経て75p(<76p:P~Qの値幅)の反落を挟み2,090pを戻り高値に急落した。安値(U)1,939pを境に2,023pと値幅84pの反動高が生じている。
よって、現在は一旦戻りを試す経過となっている。その場合、上値は以下の水準が挙げられる。
(1)2,028p=U+(J-O)
(2)2,034p=U+(J-Q)
(3)2,042p=U+(H-I)
(4)2,065p=U+(J-I)
(5)2,124p=U+(D-C)
ただ、安値(U)1,939pからの戻り基調を維持するには、反動安値幅が47pから78p程度に収まることが大事となる。これらを超えると87pないし95pなど、値幅の拡大につながりやすくなる。また、戻りを辿る動きも直近安値(U)1,939pに対する安値を確認するリズム(下値切上げ)の形成が必要となる。
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【マザーズ(日足)】=9月高値更新でトレンド発生=
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前回の「高値更新で下降波動に終止符」(記:21/9/10)では、以下のように述べた。
「6月30日高値(E)1,207pからの下落は、前安値(D)1,042pを下回り8月17日には安値(F)1,009pとなった。ただ、昨年10月高値1,365pからの下げ幅が356pと19年12月高値915pから20年3月安値557pの下げ幅358pに見合う水準1,007pの影響を受ける格好で踏みとどまって切り返した。また、直近1,177p(9/10)までの上げ幅は168pと前上げ幅165p(D~E)を上回ったことから戻りをうかがう経過となっている」とした。
実際には、安値(F)1,009pからの上げは高値(G)1,187pと6月高値(E)1,207p目前に反落した。ただ、安値(H)1,064円を経て1,126p(10/15)と値を戻す動きとなっている。
よって、現在は高9月(G)1,187pをうかがう経過となっている。その場合、上値は以下の水準が挙げられる。
(1)1,143p=H+79p
(2)1,150p=H+86p
(3)1,201p=F+192p
(4)1,224p=F+(C-D)
また、直近の高値(G)1,187pを上回ると安値切上げ(F<H)反転形成となり、安値(F)を基点とする短期第三波動へ進展する経過となる。
反面、直近の安値(H)1,064pからの上げを維持するには、反動安値幅が33pないし59p程度に収まることが重要となる。これらの値幅を上回ると79p、127pなどへ拡大につながりやすくなる。
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【備考】(1)NYダウ工業株30種(2)ナスダック(3)ドル・円相場
★備考(1)NYダウ平均(日足)=8月高値更新が焦点=
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前回の「早期の切り返しが重要」(記:21/9/10)では、以下のように述べた。
「8月27日の戻り高値(J)35,455ドルと高値(H)を上回らずに反落した。高値(H)から直近安値34,607ドル(9/10)までの下げ幅は1,018ドルと前下げ幅1,034ドルに接近し前下げ幅水準34,591ドルの維持と早期切り返しが重要となっている。下値を維持した場合、切り返し値幅が731ドル(H~I)を上回ると、上げ幅の拡大につながりやすく、高値(H)を上回ると安値(E)以降の基調を維持する経過となる。」とした。
実際には、高値(J)35,455ドルからの下げは安値(K)33,919ドル(下げ幅1,706ドルと拡大)を経て反動高が950ドル(K~L)となった。その後、安値(M)33,843ドルと僅かに安値(K)下回ったあとの反動高で高値(L)を上回り反転の形成となった。
よって、現在は8月高値(H)35,625ドルにトライする経過となっている。 その場合、主な上値としては以下の水準が挙げられる。
(1)35,330ドル=M+(B-E)
(2)35,506ドル=M+(H-G)
(3)35,549ドル=M+(F-E)
(4)35,895ドル=L+(L-M)
(5)36,178ドル=M+(H-E)
(6)36,553ドル=27,572ドル(20年6月高値)+8,981ドル
(20/3/23~同6/8)
ただ、下げ幅1,950ドルを超えると下値を探る動きにつながりやすくなるほか、直近安値(M)33,843ドルの維持が重要となる。
★備考(2)ナスダック(日足)=戻りを試す=
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前回は「基調維持に着目」(記:21/9/10)として、以下のように述べた。
「14,895p(8/5)を高値に反落したが、下げ幅370pで前下げ幅459p(E~F)の範囲内に収まる14,525pを安値に切り返しだ、9月7日には高値(I)15,374pと上伸したあと下げ幅259pと小反落となっている。ただ、3月安値(B)12,609pを基点とする第3波動が維持されている。」とした。
実際には、9月高値(I)15,374pからの下げは安値(L)14,255p(下げ幅1,119p)を経て14,897p(10/15)値を戻し反動高値幅も642pとなっている。
よって、現在は下げ幅がやや拡大も1,486p(A~B)の範囲内にあり、3月安値(B)12,609pを基点とする第3波動の進展は戻りを試す経過となっている。
その場合、主な上値としては以下の水準が挙げられる。
(1)14,886p=L+(I-J)
(2)14,958p=L+(E-14,030p(6/18))
(3)15,104p=L+(I-H)
(4)15,362p=L+(C-D)
(5)15,409p=6,860p(20/3/23)+8,549p(09年3月安値~20年1月高値)
ただ、反動安値幅が399pを超えると、459pの維持に焦点が移る。また、安値(L)の維持のほか、下げ幅が拡大すると661p、849p、721p、916pなどが挙げられる。
★備考(3)ドル・円相場(週足)=見るから視る・診るへ=
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2016年のドル・円相場は、99.00円から118.39円と値幅19.39円の大幅な円安となった。それ以降は、以下の値幅の通り、4回の円安局面がある。
(1)7.15円(17年9月~同年11月)
(2)7.72円(19年8月~20年2)
(3)9.91円(18年3月~同年10月)
(4)9.89円(20年3)波乱局面で生じた円高のあとの円安値幅
今回は5回目となる。基点は今年1月の102.60円であり3月の110.97円まで円安が進行した。その後は、一進一退のボックスを形成した。9月後半から動意づき30日にはボックスを上値抜けした。現在は、再び円安の進行となっている。また、年初の102.60円から直近10月15日現在の114.18円までの円安値幅は11.58円とすでに過去2回あった10.00円の弱の値幅を上回り5年ぶりのドル高・円安相場へ突入している。
為替相場も動体である以上、理屈に捉われず柔軟に動きを見て行くことが良いのではないだろうか。今後の動きをイメージし、実際の動きと照合してみてはどうであろうか・・・
執筆:長森伸行
≪執筆者略歴≫
元山一證券投資情報部次長・国内で「一目均衡表」チヤート分析の第一人者。元日本テクニカルアナリスト協会セミナー講師で「一目均衡表」を担当。証券業界に50年間携わった重鎮、自立して儲けられる投資家のインストラクター的な存在。
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