注目決算発表ファーストルック1:ファナック・日本電産
本日発表となりました決算のうち、あくまでも個人的に目に付いたものだけを下記に取り上げご紹介致します。
・ファナック(6954):今回の上方修正は前回中間決算発表時の下方修正幅を埋めきれず
本日の取引終了後に22.3月期3Q累計(4-12月)の決算が発表されました。
連結経常利益は前年同期比2.1倍の1615億円に急拡大し、併せて、通期の同利益を従来予想の2034億円から2147億円(前期は1287億円)に上方修正しています。
世界的なサプライチェーンにおける、半導体等の部品の不足により先行き不透明な状況が続くものの、FA、ロボット、ロボマシンの各部門において、様々な分野で旺盛な需要が見込まれる事を上方修正の理由として挙げています。
2022年1月から2022年3月までの期間における想定為替レートは、「平均で」米ドル105円、ユーロ125円で、円安による利益上乗せは続きそうです。
しかしながら、連結経常利益は、前回2Q累計の決算発表時に、2164億円から2034億円に下方修正されていたものが、今回あらためて上方修正されたものですので、この発表を受けて株価は切り返しに転じても、前回決算発表後にチャート上で窓を開ける形で下落する前の株価水準、24500円への切り返しはやや厳しい印象です。
もちろん、全体相場の切り返しと相まれば、回帰可能な水準であるとは思いますが。。。
今期の連結営業利益予想についても、従来予想の1775億円から1865億円へ上方修正されましたが、アナリスト24人のコンセンサス予想の平均値は1910億円となっている模様です。
この点についても、株価材料としてはややネガティブ視される可能性がありましょう。
業種別指数上は、ファナックは機械ではなく電気機器に分類されますが、やはり機械セクター全般の指標的銘柄と申し上げて宜しいでしょう。
明日の機械セクター全般の株価推移にもややネガティブなインパクトが広がる可能性も想定すべきかもしれません。
一方で、全体相場の下落の影響を色濃く受ける形で、既に株価は昨年来安値水準まで下落していた為に、本日の決算発表、業績上方修正を機に、目先の悪材料出尽くし感から、株価が切り返しに転ずる可能性も否定できません。
いずれにせよ、明日のファナック株と、機械セクター全般の値動きには注目です。
・日本電産(6594):本日の決算発表よりも昨日報道された永守会長の弁が気がかり
本日の取引終了後に、22.3月期3Q期累計(4-12月)の決算が発表されました。
連結最終利益は前年同期比20.1%増の1004億円に拡大しましたが、通期計画の1480億円に対する進捗率は67.9%に留まっております。
併せて、今期の年間配当を従来計画の60円から65円(前期は60円)に増額修正しています。
加えて、明日1月27日から23年1月24日までのおよそ1年間に、上限で400万株・500億円の自己株式の取得枠設定も発表しております。
なお、今期の想定為替レートは従来どおり、米ドル105円、ユーロ117円で変更無しです。
今期の連結営業利益見通しは1900億円のまま据え置きとなりましたが、アナリスト22人のコンセンサス予想の平均値は1934億円となっている模様です。
昨日、一部報道により、同社の永守会長が現社長の経営手腕に失望感を示し、任命判断ミスとして車載事業で陣頭指揮を執る旨を明らかにした、と伝えられております。
後継者問題が続いている事が株価下押しの要因にもなりえると指摘する向きもあり、年初からの株価下落に、果たして本日の決算発表で歯止めがかかるかどうかが注目されましょう。
執筆:木村泰章
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