株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2022-03-01 17:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

BCPって何?

皆様、日々の株式投資へのお取り組み、ご苦労様です。

トヨタ自動車は2月28日、部品メーカーのシステム障害を理由に、3月1日に国内全14工場28ラインの稼働を停止すると発表しました。
本日、そのシステム障害がウイルスによるものだと認めらる点、及び明日3月2日は全工場の稼働を再開する旨を発表しています。

このニュース、正直なところ、個人的には非常に不思議な印象でした。
というのも、トヨタほどの超大手企業が、こうした事象をも想定して、代替案などの「BCP=事業継続計画」を予め策定・整備していなかったのだろうか?
と疑問に感じたからです。

というわけで、本日のコラムはそのBCPネタです。

BCPは「Business Continuity Plan」の略ですが、日本語では「事業継続計画」と訳される事が多いものの、この概念が2000年以降、日本でビジネスを行っている外資系企業を中心に浸透し始めた頃は、「Business Contingency Plan」、いわゆる「緊急時対応計画」と混同されているのが実状だったように記憶しています。
私自身も、「BCP=緊急時対応計画」であると、つい5年ほど前までは「誤解」していました。

日本においても、「緊急時対応計画」と「事業継続計画」を区別して考える傾向が強まったのは、やはり、東日本大震災がキッカケだったように思います。
つまり、「緊急時マニュアル」は策定していたとしても、その緊急事態が長引いた際の「事業継続プラン」は策定していなかった企業が、慌ててその整備・作成に動いた、と考えられましょう。

例えば、上掲のような一種のテロ攻撃だけでなく、大地震等の自然災害、もっと近い例で申し上げれば、コロナ感染拡大のようなパンデミックも、「緊急時」であり、かつ、その緊急事態が長引く事をも想定して、「緊急時対応計画」と「事業継続計画」を策定しておかねばなりません。

はい、当然公表できませんが、弊社においても「緊急時対応計画」と「事業継続計画」は策定・整備されおり、例えば私がコロナ感染防止の観点からリモートワークを行ったのも、それらの計画に基づいた行動であったわけです。

サイバーテロ攻撃を連想して、本日の株式市場ではセキュリティ関連株が軒並み高となりましたが、一方で、緊急時・危機管理体制がお粗末な印象を抱いたトヨタ株は小反落程度の反応しかなく、むしろ、個人的には、トヨタを売ろうとせずセキュリティ関連株を買おうとする、投資家サイドの「危機=リスク感覚」の方こそ驚きでした。

私が仮に「買い」を考えるのであれば、これでしょうか・・・。
トヨクモ(4058)

◎参考銘柄
トヨクモ(4058)


執筆:木村泰章

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