週末・休日版コラムでは、銘柄や相場や経済についての直接的な話ではなく、むしろ、離れたところからの目線でお話ししますが、最後は株式投資にもつながるような話もご披露したいと思います。
かなりくだけた内容ですが、週末・休日版という事でご了承いただき、お付き合いください。

「休むも相場」です。
特段材料視していないとはいえ、決して無視はできないジャクソンホール会議を控え、
金曜日の東京の株式市場は模様眺めムードが支配的となり売買代金も低調でした。
個別企業の決算発表集中シーズンを通過し、目新しい株価材料にも欠ける局面ですので、
今のところ利食い売り以外の投資行動はお控えいただくべきでしょう。
株式市場に方向感が出始めるのは、当然ながら来週からと捉え、金曜日までの個別株の値動きに惑わされぬよう、お伝えしたいと存じます。

個人的にはジャクソンホール会議よりも、9月1日から再開される「都民割」、いわゆる、「もっとTokyo」という観光促進事業の方が気になっています。
「GoTo事業」でも「県民割」でも、なんとなく出遅れ感が強かった東京都民向けの施策の行方は、景況感の回復にも一役買ってくれるものと期待している次第です。

東京都は「都内を旅行する都民を対象」に、1泊あたり5,000円、日帰りは1回あたり2,500円程度の補助を行う、「独自」の観光促進事業「もっとTokyo」を、9月1日～30日に「トライアル実施」で再開予定と発表しています。

でもでも、「都内を旅行する都民」って、一体、どれだけの需要があるのでしょう？
「旅行」の定義は、「旅を行う」事ですが、「都内で」「旅」が「行える」イメージは、正直なところあまりありません。
結局のところ、普段は訪れないような東京の観光スポットに出掛けるとか、宿泊するなら普段は泊まらないようなシティホテルが中心となりましょう。

唯一、23区以外の「東京」であれば、若干の「旅行」気分は味わえるかもしれません。
西東京以遠、奥多摩辺りか、離島部分などが候補となりましょう。

しか～っし！
9月は3連休が2回ある（土曜日も休日と仮定）、「秋の旅行シーズン」の前哨戦的な月です。
私、高尾山周辺とか奥多摩の宿泊施設の予約状況を8月の初旬に覗いてみましたが、めぼしい所はとっくに「満室」。
都民割の予約に備えて、部屋をキープする為に、既に9月の予約を受け付けていない宿泊施設も幾つかありました。
「都民割」が適用される予約は、9月1日の正午からという宿泊施設が多いようですが、おそらく予約が殺到して、アッと言う間に「売り切れ」てしまうでしょう。
旅行業者の予約サイト経由でも大差は無いものという印象です。

はい、つまり今回も、木村は「都民割」の恩恵にあずかれそうにない、と完全に諦めきっております。
都民に「平等」な権利のハズなのに、予約は早い者勝ち、しかも9月限定って、お粗末すぎる施策だとの思いを禁じ得ません。
少なくとも、既に何らかの「恩恵」を受けた方達には、同施策は適用されない等の「線引き」は必要であるように思う次第です。
都内の宿泊施設や観光施設でしか使用できない、現金化できない無期限クーポンを、都民に一律配布するとかいう施策を希望したいところです。

さて、かなり乱暴なこじつけですが、株主の「恩恵」と言えば株主優待。
「乗物系」として有名なのは、陸運・空運株の株主に用意されている株主優待を利用する事ですが、実は、広く一般に知られているとおり、乗物系優待は、優待部分だけで売り買いされるようになって久しい状況にあります。

弊社の「山ガール」Aさん、この夏は中央アルプスと北アルプスの山々へ出掛けたそうですが、中央アルプス木曽駒ケ岳のロープウェイ（確か往復で2500円くらい）は、名鉄（9048）の株主優待を使うと20％オフで乗れます。
https://www.chuo-alps.com/

その株主優待割引券は、オークションサイト等で頻繁に売りに出されていて、「相場」は100円前後。
もっと凄いのは、長野地盤のゼネコン会社、ヤマウラ（1780）の株主優待で、ロープウェイとバスの往復（4200円くらい）が無料になります。
コチラはオークション相場が3500円くらい。
株式投資にお取り組みいただいている会員様各位にも、こんな風に、様々な「恩恵」にも目を向けていただけたら、と存じます。



執筆者：木村泰章