安川電機の3Q決算発表が市場全体に与える影響
ゆえに、決算発表シーズンの行方や傾向を占い、かつ、決算発表を受けた株価動向を占ううえでも、常に「先行指標」として注目されています。
特段、専門的な知識が無くとも、安川電機の決算短信内で述べられた「説明や見解」を読み解くだけで、「なんとなくでも」、「外部要因」や「マクロ環境」の現況を窺い知る事が可能です。
実際に、今回の3Q決算を、会員様各位と一緒に確認してみたいと思います。
安川電機は、業種的には「電気機器」に属しますが、実態としては日本を代表する「FA関連(生産工程の自動化を図るシステム関連を指す)銘柄」と目され、
特に、「ロボット関連」や「工作機械関連」との位置づけが一般的です。
昨年1年間の株価推移は、1月初頭の5700円近辺から、上げ下げを繰り返しながらも10月の安値4000円割れまで、緩やかな下落トレンドを辿りました。
では、行なってみましょう。
【製造業全般における生産の高度化・自動化を目的とした設備投資が継続的に行われました】
⇒製造業全般における設備投資意欲は旺盛な事が窺い知れます。
【特に半導体・電子部品市場では、米国・日本を中心に需要が高い水準で推移し】
⇒半導体製造装置関連銘柄にも連想買いが広がりました。
【自動車市場においてもEV化やリチウムイオン電池関連などの投資がグローバルで力強く拡大しました】
⇒自動車関連、中でもEV化やリチウムイオン電池関連に対する強気見通しは妥当と見ます。
【一方、中国においては、新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンやゼロコロナ政策の影響などを受け、設備投資は伸び悩みました】
⇒やはり中国の設備投資意欲はまだ回復していないと読み取れます。
【半導体など長期化する部品の供給不足によって生産制約の影響を受けましたが、期の後半から需給逼迫の緩和などによって生産が回復し】
⇒サプライチェーンの滞りによる部品調達難は、昨年秋から回復に向かっている事が窺えます。
⇒半導体不足も解消に向かっているものと見ます。
【原材料費や物流費の高騰影響を受けたものの、売上増加に伴う採算性の改善や為替の円安影響で営業利益は前年同期比で増加しました】
⇒為替の円安影響が円高に転じると、原材料費や物流費の高騰分を補えなくなる懸念はあるものと見ます。
【中国:EV化の加速を背景に自動車・ニューインフラ関連など、一部の市場で需要は堅調に推移しました】
⇒EV化の加速のカギを握るのは、やはり中国との印象。
【半導体向けロボットの販売も日本・韓国などで堅調に推移しました】
⇒韓国の半導体といえば、サムスン電子、SKハイニックスですね。
いかがでしょうか?
安川電機の決算短信をパッと見しただけでも、そこから、様々な「現況」を窺い知る事ができ、「連想」「推察」も可能となるわけです。
1月10日の取引終了後に発表された安川電機の決算は、当然ながら他のFA関連、機械関連、半導体関連銘柄にもプラスの影響を及ぼしました。
今後もEV関連やロボット関連にまで幅広くプラス作用する事が期待されます。
日経平均等の株価指数に対する寄与度も高い銘柄群ですので、日経平均が5日から12日まで5連騰となったのも、こうした銘柄群が買い基調推移となった事が主因と言えましょう。
・SMC(6273):機械、FA関連:1月5日から12日まで5連騰。
・キーエンス(6861):FA関連:1月5日から11日まで4連騰。
・ファナック(6954):FA、ロボット関連:1月10日から12日まで3連騰。
・東京エレクトロン(8035):半導体関連:1月5日から本日(12時現在)まで6連騰。
機械セクターが「景気敏感セクター」と目される理由は、「製造業全般の設備投資意欲」の影響を色濃く受ける為です。
米国が景気後退に身構える一方で、「製造業全般の設備投資意欲」は依然旺盛とある事から、物価高騰の煽りも受けて消費は冷え込み、非製造業全般が冴えない懸念はくすぶるものの、製造業全般は今年、大きな業績回復局面を迎える可能性もアリと見ます。
執筆:木村泰章
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個人的に注目している銘柄
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◆三櫻工業(6584)
全個体電池、マグネシウム電池
◆ニチコン(6996)
EVコンデンサー&家庭用備蓄システム
◆ENEOSホールディングス(5020)
SSも蓄電池や急速充電器が必要となりましょう
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私のコラムで紹介した銘柄
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◆トレジャー・ファクトリー(3093)
3Q決算発表と業績上方修正を受けて大幅高!
月次既存店売上高は昨年12月まで16カ月連続で前年同月比プラスでしたから、想定どおりですね。
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単発スポット銘柄の見解
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◆≪木村泰章のラスト七福神銘柄(****)≫
フォローメールで申し上げましたとおり、EV関連でもある同社株の強気見通しに変更はありません。
そろそろ買い増しタイミングかと捉えております。
◆≪木村泰章のレッドダイヤモンド銘柄(****)≫
こちらもフォローメールを配信させていただきましたのでご参照ください。
中長期保有前提で仕込みどころと見ます。
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