日経平均EPSにまつわるお話
理論上の背景を分析すると、今年の日経平均は38000円くらいまでイケそうだ、という「イメージ」を「なんとなく」感じていただければ幸いに存じます。
弊社は昨年まで、基本的には日経平均PER(株価収益率)に関して、主に「指数ベース」算出のPERを参考値としてきました。
日経新聞で公開されているPERは、「加重平均ベース」算出のPERで、概ね指数ベースPERよりも5ポイントほど高い数値となる事がコンセンサス視されています。
つまり、難しい話を「はっしょって」乱暴気味に結論づけるのであれば、日経平均PERの算出方法は(少なくとも)「2種類存在する」という事になります。
一方で、日経平均EPS(1株当たり当期利益)の計算方法は1つだけしか無い、とされる事が一般的です。
「日経平均÷日経平均PER=日経平均EPS」です。
ただ、日経平均PERの算出方法が2通りあるわけですから、日経平均EPSもそれに応じて(少なくとも)2通り算出されうる事となりましょう。
年末年始にかけ、今年の日経平均の推移を予想する著名なストラテジストの方々は、概ね、日経新聞の算出する「加重平均PER」をもとに、日経平均予想EPSを乗じて日経平均予想を組み立てているようです。会員様が混乱されないよう、弊社も本年からは、日経平均PERに関しては日経新聞の算出する「加重平均PER」を参考値としお伝えしてまいります。
昨日(1月4日)の終値ベースでの日経平均PERは14.81(倍)、日経平均EPSは2247.69(円)でした。
今のところ、市場コンセンサスと目されている日経平均EPSの今期の成長率(前期比)は13%~15%とされており、今期の予想EPSは概ね2340円~2380円との想定が多い模様です。
この「13%成長」の根拠は、今期の中間期決算が出揃った時点で、日経新聞が集計した数値に基づいており、つまるところ、企業業績が概ね前期比で13%増益となる事が見込まれているわけです。
株価上昇の主たる要因は企業の成長ですから、当然ながら、理論上は増益企業の株価が上昇によってバリュエーション(PER)も切り上がる事が予想されます。
しかしながら、今期(24.3月期)末の予想PERはほぼ前年どおりの15%~16%を見込む市場関係者が多く、今のところ、PER面の拡大を予想する市場関係者は少数派です。
上掲の数値から、予想EPS2340円 X 予想PER15倍=35100円から、予想EPS2380円 X 予想PER16倍=38080円という、今期の日経平均予測が成り立つ事になります。
むしろ、年の後半以降は、来期(25.3月期)のEPS成長(現段階では9%成長が市場コンセンサス)を先取りする形で、まずはEPS面の増大が牽引する形で、日経平均の上昇が続く事が予想されます。
弊社は、26年度に日経平均が50000円に達する事も可能と見ており、この根拠を「因数分解」するならば、概ね、予想EPS2500円 X 予想PER20倍だったわけですが、より現実的な数値としては、「予想EPS2700円 X 予想PER18.5倍=49950円」、「ほぼ」50000円が射程圏内と申し上げて宜しいように思う次第です。
非常に大雑把な見通しで恐縮ですが、今年の日経平均は、3月末に35000円、6月末に一旦33000円まで調整し、9月末に35000円、12月末に38000円と推移するものと予想します。
執筆:木村泰章
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