愛知製鋼（5482）※決算発表予定日 2024/02/02

トヨタグループのクルマ部品メーカー。クルマの安全性に寄与する部品の中でも、同社が製造する「特殊鋼条鋼」は重要な収益源であろう。鍛鋼一貫という強みから生み出された製品であり、この技術を軸にプレスやアプセッター、ホットホーマ、ローリングミルなどの部品も製造。高い付加に耐えられるという付加価値は、今後電気自動車（EV）が主流になる世の中になっても、安全性という観点から需要が減少することはないと考えられる。バリュエーションはPBR0.3倍台（執筆時）と解散価値を下回る。出遅れバリュー株として注目。

今期（会社予想）の経常利益は前期のおよそ2.2倍の水準を見込む。鋳造品の販売数量の増加や、各製品の値上がりがこの計画の裏付けになるだろう。AIによる総合評価はB+。じんわりと営業利益の成長率が上がっていくという試算だ。SOx規制対応本格化から、LNG需要の増加、そしてLNG運搬船需要の増加から、ステンレス鋼需要の増加が、同社の営業利益成長率を高める要因・シナリオとAIは分析。今後はクルマ向けだけでなく、船舶等の製品の販売増が見込まれる。

株価はほかの銘柄とご多分に漏れず、昨年9/20からピークアウト。日経平均株価の下落にやや遅れて連動安という格好だ。ただ、昨年末の12/21には3000円で底打ち。バリュー感や、心理的な節目であることから押し目買いが下値を支えたと見る。足元ではリバウンドを演じ、一時抵抗線であった75日移動平均線を突破。同線を着実にクリアし、支持線として機能してくればさらなる株価上昇が期待できるだろう。ただ節目3500円付近でもみ合う可能性も否定はできないため、同節目の値固めがシッカリしてきたところでインするのがベターか。