まわるまわるよ、めぐるめぐるよ
こんなお問い合わせを、会員様から頂戴する事がしばしばあります。
モチロン、理論を知り、見識を深める事は、会員様各位の金融リテラシーを向上させる為にも、必要だとは思いますが、
正直なところ、個人的には、株式投資へのお取り組みに、「専門書」の類はあまり必要無いように考えております。
例えば、今年初頭の日経平均33000円近辺から、昨日の史上最高値40472円までの動きを、理論や見識に基づいて、事前に察知できた市場関係者(モチロン会員様各位も含む)はほとんど居ないように思います。
当コラムでは従前から、「株式投資にプロは存在しない」と申し上げて来たとおり、自称・他称を問わず「プロ」であっても読み切れない展開が、しばしば示現するのが株式相場の常であって、「絶対的な尺度」が存在しないのだからこそ、「プロ」という概念自体も存在しない世界なのだろう、というのが私の持論です。
となると、必要となる投資スタンスは、やはり、足元や目先の短期的な値動きを予想して一喜一憂する事では無く、中長期目線に立って投資を行い、投資シナリオの実現を待つ、という姿勢こそが求められるように思います。
ゆえに、どこで買う、どこで売る、という投資行動よりも、投資シナリオの実現を信じて「待つ」、という投資行動こそが最も重要であろう、と考える次第です。
専門書の類が紹介しているのは概ね、買い場や売り場に関する「目安」や「尺度」の「一例」に過ぎず、「待つ」という、最も大切なハズの投資行動について(あくまでも個人的な意見です)、解説してくれるような書物はマレだからこそ、私は個人的に、専門書の類は必要無いものと考えている次第です。
そこで本日は、「待ち」という投資行動について、会員様各位の「お心持ち」の参考ともなりえそうな、ちょっといい話をご紹介してみようと思います。
私が準大手証券と呼ばれた、日系証券会社から外資系証券会社に転職する際に、当時所属していた部署の前部長さんから、
短い手紙を頂戴しました。
レポート用紙1枚に、激励の言葉と共に添えられていたのが、下記の歌詞でした。
『めぐるめぐるよ時代はめぐる
別れと出会いを繰り返し
今日は倒れた旅人達も
生まれ変わって歩き出すよ』
中島みゆきさんの名曲、「時代」の一節ですね。
私、株式投資に挑むうえでの「お心持ち」として、最も的を射ていると考えているのは、上掲の一節を含む、この名曲の歌詞です。
『そんな時代もあったねと
いつか話せる日が来るわ
あんな時代もあったねと
きっと笑って話せるわ
だから今日はくよくよしないで
今日の風に吹かれましょう』
エモいなぁ。
30数年ぶりに史上最高値を更新した日経平均も、まだまだ出遅れている中小型成長株群も、大局観の中でのイチ局面的な巡り合わせにしか過ぎないように思います。
貴方様の保有銘柄に株価急伸の「順番」がまわってくるを、めぐってくるのを、楽しみにお待ちいただきたいと存じます。
来週も、「常に強気、いつも冷静」なスタンスでまいりましょう。
執筆:木村泰章
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