Re-Edit再掲:セルインメイ = 晴れの日は株高、雨の日は株安?
このお話は、2021年4月24日に当コラムでご紹介した内容の、修正再掲となります。
理論的な根拠がないにもかかわらず、実際にしばしば起きやすい現象の事を「アノマリー」と呼びます。
近年、信じる人が多い事で有名になったところでは「相場占星術」などが挙げられましょう。
では、まず、思わず失笑してしまいそうなアノマリーをご紹介しましょう。
「晴れの日は株高、雨の日は株安」笑
これは2000年代の初頭頃から2010年頃までしばしば囁かれていたアノマリーです。
誰が検証したのか、時間軸はどうだったのかは不明ながら、的中率は6割近かったという驚きの検証結果も話題となりました。
過去には新聞に掲載された連続小説の内容が官能的だと株高、などというものまでありました。
一方で「相場格言」として有名であるがゆえに、信者が多いものもあります。
「節分天井・彼岸底」とならび有名なものに、「セルインメイ=Sell in May」があります。
しかしながら、この相場格言がそもそも、どこの国の相場を指して言われるようになったのかを、ご存じの方は意外と少ないようにも思います。
英語なんだから米国?
実際に「セルインメイ」でWeb検索をすると、米国株式市場で生まれた有名な相場格言という解説も散見されます。
「Sell in May and go away, don't come back until St Leger day.」が格言のフルバージョンですが、St Leger dayは英国で9月に行われる競馬レースSt. Leger Stakesを指しますので、そもそもは英国由来です。
そこで皆様に質問です。
毎朝、前日の海外市場の動きをチェックする際、最も重視するのはどこの市場のどの指数ですか?
ダウ?
NASDAQ?
S&P500?
ラッセル2000?
FTSEを一番最初にチェックするという方は決して多くないのではないでしょうか?
「セルインメイ」の過去の「的中率」は概ね、5割を若干下回ると言われております。
ダウにはそこそこ当てはまるとか、S&P500も4割以上の的中率とか、様々な指摘もあるようですが、FTSEに当てはめて検証した例はほとんど見かけません。
しかも的中率は「晴れの日は株高、雨の日は株安」アノマリーをも下回ります。笑
そもそも「相場格言」自体が、単なる「言い伝え」レベルのアノマリーであるわけですが、「格言」という重い表現が独り歩きして、「後付け」的にもっともらしい「言い訳」が用意されているに過ぎないと考えるべきでしょう。
米国の税制度により還付された資金が流入するから5月は高く、信用取引の売り決済が集中したりヘッジファンドの決算売りが集中するから5月以降は安い、という分析も、もっともらしい指摘ながら全て「後付け講釈」の域を出ないと思います。
しかしながら、「セルインメイ」が最近は当たった年は無いという事実の一方で、だから今年も当たらないとも言い切れません。
解釈によっては、「5月になったら売りなさい」とも「5月までの高値であらかじめ売っておきなさい」とも取れますが、
「Sell in May and go away」を信じるのであれば、「and go away」ですから、5月に売り始めるのではなく、5月に手仕舞い売りを完了しておく事が示唆されていると解釈すべきでしょう。
その為には、5月に手仕舞い売りする為に、それ以前で「買い持ち」している事が前提となります。
<4月末に仕込んで仮に5月高値で売った場合の過去5年の実績>
日経平均の値動きに着目して、過去の勝敗を検証してみましょう。
2018.04.27 終値22,467.87
2018.05.21 高値23,050.39
2019.04.26 終値22,258.73
2019.05.07 高値22,190.49
2020.04.30 終値20,193.69
2020.05.29 高値21,955.44
2021.04.30 終値28,812.63
2021.05.10 高値29,685.41
2022.04.28 終値26,847.90
2022.05.31 高値27,463.33
2023.04.28 終値28,856.44
2023.05.29 高値31,560.43
4勝1敗です。
概ね好パフォーマンスと申し上げて宜しいでしょう。
当たろうが当たるまいが、中長期投資で取り組まれている皆様方には、さほど気に掛ける必要は無いように思います。
むしろ、過去の分析を参考に取るべきアクションは、「Buy in April to sell in May」、「5月に利食い売りするために4月のうちに買い仕込み」でありましょう。
「セルインメイ」を過度に意識する必要は無いというお話でした。
執筆:木村泰章
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個人的に注目している銘柄
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◆極洋(1301)
◆中部飼料(2053)
◆フィード・ワン(2060)
◆日本甜菜製糖(2108)
◆正栄食品工業(8079)
一般的に食料関連は円高メリットを受けやすい、とされています。円安基調下でも業績推移・株価推移は概ね堅調であった事から、円高シフトとなれば更に注目を浴びそうです。
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私のコラムで紹介した銘柄
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◆セキュア(4264)
2000円台を上伸中!
1月19日のご紹介時からの高値騰落率54.0%。
◆曙ブレーキ(7238)
本日も一時昨年来の高値を更新。
昨年11月21日のご紹介時からの高値騰落率46.61%。
◆日本ケミコン(6997)
いよいよ昨年5月の下落時に開けた窓の窓埋めに挑む局面です。
1月15日のご紹介時からの高値騰落率20.27%。
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単発スポット銘柄の見解
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◆≪あすなろダイヤモンドセレクト銘柄≫
逆襲!
成長株投資の醍醐味を味わっていただけたものと存じます。
◆≪木村泰章のプラチナメソッド銘柄【逆襲】≫
●●●●円の値固め中との印象です。
GW明けには上放れる可能性も。
◆≪あすなろニューダイヤモンド銘柄≫
値持ちの良さは充分と見ます。
GW明けの上放れに期待致しましょう。
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