森下仁丹（4524）

社名でもある代名詞の仁丹を始めとしたヘルスケア事業、シームレスカプセル受託製造などを展開。近年では森下仁丹は1893年創業の老舗で上掲の仁丹が有名であるが、最近でローズヒップエキスをコカ・コーラ社に供給したりと事業拡張にも余念がない。ナショナルブランドの「目もとパックシート」や「口もとパックシート」などの美容品はインバウンド需要も高く、同社の収益を支えている。

5/9発表の2024年3月期本決算では売上高124億600万円(前年同期比9.2％増)、経常利益8億1500万円(同30.8％増)で、増収増益。セグメント別に見ると、カプセル受託事業でフレーバーカプセルやプロバイオカプセルの販売が好調かつ、価格転嫁も奏功した事が決算結果に好影響を与えたと見る。AIのXENOは同社の5年後の営業利益予想成長率を62.16％、総合評価をB+と分析。高齢者人口の高まりはヘルスケアに注力する同社業績の追い風になってきそうだ。

株価は3/4以降、揉み合いながらも調整入り。その後、100日線付近で底堅さを見せ、一時的に同線を割りこむことがありつつも概ね2300円～2500円のレンジで推移。5/9に決算が発表された後は出来高が急増し200日線を割る所まで急落したが、これは決算内容への過度な期待感からの落胆、ないし利益確定の色合いが強いと読む。ボリンジャーバンド-3.0σに達した事で、今後は売られ過ぎ感が意識されてきそうだが、価格の振幅や値幅などから相場の過熱感を測る指標である「スローストキャスティクス」ではS％DラインがSDラインを上から下へデッドクロス(執筆時)している。そのため強弱感の対立も予想される事から、底打ちのタイミングを見極めながら仕込み所を探ろう。