ナカノフドー建設（1827）

医療、物流など多彩な民間建築が主体の中堅ゼネコン企業。東南アジアでの高層住宅、工場などの建築実績を持つ。同社は1933年創業で昨年創業90年の節目を迎えたが、海外進出は中堅規模の企業としては比較的早めとなる1983年。すでにシンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムで、コンドミニアムやデータセンター、半導体工場など、多種多様な施工を行っており、海外の売上比率は1/3ほど。今後は海外での環境意識の高まりに商機を見出しており、環境提案で海外市場の更なる深耕を目指してゆく。

5/14発表の2024年3月期決算では売上高1074億1500万円(前年同期比6.2％減)、経常利益38億3500万円(同22.4％増)と減収増益で着地。同社では2024年問題に早くから取り組んでおり、約800名の正社員を対象に2年連続ベースアップを行い新卒初任給も引き上げた。生産イノベーション部を立ち上げＤＸ化を進めた結果も増益を後押ししたものと見る。AIのXENOも同社の4四半期後の経常利益を145.97％増(14.8億円増)の大幅増益と分析している。

株価は3/7に708円を付けた後にピークアウト。600円台前半で揉み合いを経て、5/15には窓を開けて下落。支持線として概ね機能してきた75日線を割り込んできた。目先では200日線が支持線として意識され底堅さを見せている。ボリンジャーバンド-3.0σ付近に位置し、強弱レシオも相場の人気を表すBレシオが一般的に底値圏水準であると思われるの30～70％の間にいるため押し目を狙うスタンスで臨むのも一考であろう。