大伸化学（4629）

シンナー専業で国内首位。塗料・インキ業界がメイン顧客。接着剤、洗浄剤、医薬品など幅広い分野で使用される有機溶剤を製造・販売している。同社では多様な需要に対応するため1000種類以上の有機溶剤を製造しているが、リサイクル溶剤やバイオマス溶剤などの開発にも注力。更に大きな特徴として業界随一の販売ネットワークが挙げられよう。現在で約900社の販売代理店をもち、特定の塗料メーカーとの系列関係を有していないために全ての塗料メーカーへの販売網への売り込みを可能としている。

直近決算では売上高324億6100万円(前期比5.6％減)、経常利益は9億3900万円(同28.1％減)と減収減益であった。減収の要因として、同社は印刷用溶剤類の出荷数量の減少、上半期の国内原油・ナフサ市況の低水準推移に起因する販売単価の下落を挙げている。今後の見通しとしては事業の特色上、資源価格に左右される一面があるため、地政学的要素が業績予想に反映されてきそうだ。AIのXENOは同社の4四半期後の売上高を1.01％の微増と分析している。

株価は3/1に大きく値を上げ1713円を付けた後は調整入り。一端は100日線が支持線として機能したものの、直近では同線を割り込んでいた。日足がエンベロープ(移動平均乖離率バンド)の下限バンドに達した事で、相場としては一般的に売られ過ぎ感が台頭し反転上昇すると読むのが定石だろう。結果として本日前場(執筆時)終了時点で1500円まで値を戻して来ている事がその証左となったのである。更に併せてテクニカルのモメンタムが上向いており、同数が0を上抜ければ上方シグナルが灯る展開も起こり得るものと見る。