UNITEDしていなくても米国が経済大国である事に変わりなし
結局、決着がつかない早い段階でトランプ氏は早々に勝利宣言を行い、それをハリス氏陣営が批判し撤回させ、トランプ氏が劣勢となれば、選挙自体が不正だ不当だとゴネるのでしょうから、決着がつくまでには今週いっぱいくらいの時間が必要となるかもしれません。
トランプ氏が勝てば、円安が進んで日本株は一旦買い優勢となるやもしれませんが、円安メリットを受ける企業の多くは輸出産業ですから、同時にトランプ氏による関税強化の悪影響を間接的に受ける可能性もありましょう。
プラス面とマイナス面が相殺されて、結局のところ株式相場のボラティリティ(変動)は、近日中に平常時並みに落ち着くものと考えます。
ハリス氏が勝つと、一時的な円高シフトが想定されますが、こちらは既に140円割れの円高局面を経験した後ですから、株価推移に一時的にマイナス作用をもたらせたとしても、以降はその巻き戻しによって、やはり平常時並みの変動へと落ち着くものと見ます。
それ以外の極端なシナリオの可能性があるとすれば、前回トランプ氏が敗れた後のような議会への乱入とか、従前から米国を敵対視する他国が、選挙の混乱を狙ってテロを引き起こすとか、トランプ氏が暗殺されてしまうとか、物騒でセンセーショナルなシナリオも想定されているようですが、どれも実現の可能性は極めて低いように思います。
ようするに、米国大統領選挙が引き起こした、米国内の「分断」は、民主主義国家としての根幹を揺るがしかねないリスクがあるものの、結局は、資本主義自体が崩壊するわけでは無く、むしろ加速する可能性が高いように思います。
政治の仕組みが変わっても、経済の仕組みは変わらないので、米国の政権がどの政党に傾こうと、それにより米国民の間で分断が進もうと、資本主義も経済も従来どおり継続してゆくと見るべきでしょう。
政治と経済は密接な関係にあるものの、政治が混乱したとしても、経済も同様に混乱するとは言い切れないわけです。
政策が経済に影響を与える可能性は小さく無いものの、だからと言え、経済の全てが政治に依存しているわけでもありませんから。。。
経済が政治に依存していたら、経済大国じゃなくて、「第三世界」的ですよね。
米国だけで無く、日本も同様です。
政治・政局がどうなろうと、経済活動そのものに対する影響は、ある程度限定的であって、政府に経済が従属しているのではなく、経済はもっともっと自立性を有しているものと考えます。
ならば、政局の行方を過度に懸念するよりも、企業の決算発表こそを吟味して、この先の経済活動のトレンドや行方こそに期待し、投資行動を取る事こそが理にかなっているように思う次第です。
非常に乱暴な申し上げ方かもしれませんが、どっちが勝っても、資本主義にも、市場経済にも、投資行動にも、大した影響を及ぼさないように考えます。
執筆:木村泰章
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