【はじめに】

私は約4年前、あすなろ投資顧問に参画した『100億の男』こと億男Ｗだ。改めて【億男Ｗ】とは何者なのかを皆様に知って頂くため、今回は国内中小証券から米系大手証券までどのように登り詰めたかを執筆。

Ｗが自転車操業状態からどのように登り詰めたかを書いた【億男Ｗの成り上り列伝】の物語である。

最後は、どんでん返しの展開が待っているのでお楽しみに。

と言うわけで、まずは億男Ｗの社会人デビュー時からご覧頂こう。


【場立ち】

Ｗが証券会社に入社して初めて配属された部署は「株式部市場課」。

昔の証券業界は、東京証券取引所内で手サインを使って取引をする「場立ち」と言われる仕事があり、各証券会社から5人から10人程度が、毎日東京証券取引所に集結し株式注文発注を繰り広げていた。

「場立ち」は、体育会系の集まりで、パワーと正確さが必要とされるスポーツのようだった。

例えばソニーが業績の上方修正を発表したとしよう。

今はシステム化されており、「買い物が多いね」程度だが、場立ち時代は、その注文を、ソニー株を管理している実栄証券 (東証正会員（当時）間の注文の付け合わせを行う証券会社。才取会員と言われた) に「人間」が口頭で注文を出しに行くのだ。我こそ先に注文を実栄証券に伝えようとするため、時にはつかみ合いになることもあった。

注文株数が小さいから後回しにされたり、パワープレーで敗れ後回しにされたりと、楽しい半面ストレスを抱えることも多かった。

「場立ち」は社会人とは言え、ストレス発散方法は学生並みレベルで、取引所の「場立ち」専用のトイレの壁には、ちょっと荒れた高校のように、「何々証券の誰々がムカつく」などと至るところに文句が書かれていた。
体育会系に混じり文化系の社員もいたので、長文の文句が書かれていたこともあった。

各証券会社の体育会系が一箇所に集められ、毎日顔を合わせて仕事をする。

自分の会社以外の先輩に仕事を教わる事もあった。
普通では考えられないような事が、東京証券取引所の中では毎日行われていた。
本来ライバル同士のはずが、毎日、顔を合わせることで信頼関係が生まれ情報交換にまで発展する。

銀行員が他行の人間と話すことはまずないだろうし、あるとすればリクルーティングの時だけかも知れない。

そして「場立ち」は、システム化の波には勝てず、惜しまれつつ1999年4月に廃止された。

ニューヨーク証券取引所は、現在もこうした形態を部分的に残している。

今思えば毎日刺激がある楽しい日々を送っていたような気がする。


【社会人1年目で自転車操業】

「社会人たるものクレジットカードの1枚や2枚持っていないとカッコつかないぞ！」

先輩からそう言われ、訳の分からないまま早速クレジットカードを作成したのが自転車操業の始まりだ。

現在は信じられないくらい簡単にクレジットカードが作れるが、当時は審査に数週間以上かかっていた記憶がある。

幸い当時のF銀行系の証券会社に入社したため、審査は無事通過しクレジットカードデビューを果たした。

社会人として自覚ある行動を心がけていたつもりが、実際はそうでもない。

自由に使えるお金を手にして、初任給はマニュアル通り両親にプレゼントを買った。

残りは、ほとんど遊興費となり、毎月ギリギリの生活を送っていた。

時には、給料では足りずに、はみ出す月も多々あったような気がする。

そんな時、Ｗを救ってくれたのがマルイのクレジットカードだ。

今ではファッションのマルイかもしれないが、昔は貸金業のマルイの方が有名だった。

はみ出した分をキャッシングして穴埋めする。

まさに自転車操業だ！

しかし、当時は自分への先行投資と割り切り、人脈を広げるためにキャッシングをしていたので何も怖い物はなかった。

いずれ自分に返って来ることを信じて、月給の倍ぐらい使っていた記憶がある。

この業界は、稼ぎたい気持ちがあればいくらでも稼げるのが魅力だと先輩から教えてもらったのもこの頃である。


次号【第2話】へつづく
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【追伸】
実は早速、億男Ｗによる2025年初物銘柄を公開させて頂いた。目標株価は末広がりの8倍超え。「初物」＋「末広がりの8倍目標」と縁起も良し。このために何年間も日々徳を積んできたと言っても過言ではない。

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