今週3月19日（水）に、東洋経済新報社の「会社四季報」の2025年春号が発売されます。

インターネットが世界的に普及して久しい今、投資情報ベンダーの数も大きく増加しましたが、AIを実装した投資情報の情報源は、結局のところ企業が開示する決算短信を「まとめた」ものに過ぎず、「独自の業績予測」という点では、会社四季報の情報が未だに、信頼度も認知度も最も高い事は、会員様各位のご認識どおりです。

株価形成要因のうち、最も重要視されてきたのは、テクニカルや需給よりも、企業の成長力の指標となる「業績推移」ですから、その点について、独自の取材と精査・分析を行って、先行きを予測している会社四季報は、今なお、株式投資を行う全ての投資家にとって、なくてはならない情報源ハンドブックだと言えましょう。

今からさかのぼる事20年以上も前の事、とある外資系証券会社の同僚から、会社四季報にまつわる、信じがたい話を聞いた事があります。
彼は、その後、大手外資系証券会社を数社転籍した後に、今なお、日系証券会社の第1線で機関投資家向け営業に携わっておられる、非常に真面目で優秀で信頼のおける人物です。
2000年初頭頃の話、彼が担当する、とある世界的な超大手運用会社から、何年か続けて、こんな要請があったそうです。

「発売日よりも前に会社四季報を入手してほしい」

え～っ？
インサイダーorフロントランニングじゃん！

顧客からの要請を受けた彼は、個人経営の街の本屋さんで、発売日前日の夜に会社四季報を入手して、それを自ら夜のうちに顧客のオフィスに届け、それを待ち構えていた顧客は、徹夜で会社四季報を読み込んで精査・分析して、翌朝までに投資スタンスを決定し、係る売買注文を彼の所属していた証券会社に発注していたとの事。

リーガル・コンプライアンス的にもモラル的にも、現在ではありえない話ですが、超大手機関投資家でさえも、「フライング」してしまうくらいに、会社四季報の情報が重要視されてきた、という事を象徴するような話でありましょう。

3月16日（日）の朝9時に、東洋経済新報社は、「東洋経済四季報速報」として、【四季報先取り】という記事を配信しています。

個別企業を30数社取り上げて紹介しており、うち、私が個人的に着目したのが、日立建機（6305）。
配信記事の内容について詳細をご紹介する事は差し控えますが、トップの見出しは【横ばい】。
なのに、本日の株価は、寄り付きから買い物を集めて、9時45分現在で4％超の上昇となっています。

もちろん、【四季報先取り】だけの影響であるとは思いませんし、買いの主体が機関投資家であるのか、個人投資家であるのかについても、断定する事はできません。
ただ、「会社四季報」の発売週だからこそ、多くの投資家がその内容に注目している可能性は高いように思います。

個別企業の業績等「内部要因」よりも、主に米国の関税政策の不透明感という「外部要因」が、株価形成に色濃く影響を与えがちだった「地合い＝相場環境」が、会社四季報発売週を境に、「森より木を見る」傾向へとシフトする可能性があるものと見ます。



執筆：木村泰章

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　個人的に注目している銘柄
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◆オークマ（6103）
◆SMC（6273）
◆ミネベアミツミ（6479）
コラムでご紹介した【四季報先取り】で、
【好転】【反発】【最高益】などの見出しが躍るセクターには機械セクターが多い印象です。

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　私のコラムで紹介した銘柄
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◆北陸電気工事（1930）
もみ合いレンジを上抜けそうな予感。
　昨年8月初頭の暴落局面直前の株価水準へと回帰中。
　1月23日のご紹介時からの高値騰落率13.86％。

◆きんでん（1944）
　コチラも昨年来の高値の上抜き間近との印象です。
　1月23日のご紹介時からの高値騰落率11.61％。

◆トピー工業（7231）
昨年8月初頭の急落時に開けた窓埋め完了。
　1月31日のご紹介時からの高値騰落率10.39％。

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　単発スポット銘柄の見解
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◆≪社長大石のロイヤルクラウン銘柄≫　どんな材料であろうと、株価の感応度が上がってきた事は喜ばしい限りです。
　一気にもみ合いゾーンを上抜けるかも。

◆≪【大感謝祭】大石の黄金社長銘柄-PREMIUM-≫　
　株価の切り返し基調が継続中で、200日移動平均線の上抜きも射程圏内です。

◆≪S高メソッド銘柄【極】≫　
　コチラも、25日移動平均線に続き、200日移動平均線の上抜きに挑みます。

◆≪木村泰章のギャラクシーダイヤモンド銘柄≫
　切り返し・出直り基調が鮮明に！
　楽しみです！


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株価は1000円以下で、3月からの急動意による短期上昇も狙える10倍候補銘柄。
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