4月13日に開幕する大阪・関西万博は、チケットの前売り状況が芳しくないとか、各パビリオン等の建設費高騰により当初の予算枠を大幅に超過するとか、その経済的効果を疑問視するような、ネガティブ論調ばかりが報道されてきましたが、
万博開幕に向けて様々な記念イベントが行われたり、政府と関西圏の企業群が官民一体となって来場を促す施策を打ち出しており、マスコミ等の報道も急増してきた印象です。
3月16日時点の前売り券の販売枚数は約1,020万枚と、目標の1,400万枚の7割を上回り始めました。

果たして投資テーマとなりえるのかどうかを、幾つか個別銘柄を取り上げて、再検証してみたいと思います。

万博関連銘柄として、足元で株価の急伸が見られたのは、丹青社（9743）です。
空間ディスプレー企画・施工の大手ですが、3月17日の取引終了後に前期（25.1月期）の本決算を発表。
連結経常利益は前の期比33.1％増の53.1億円に拡大して着地しましたが、会社側はその背景のひとつを決算短信の中で、『大阪・関西万博関連の新改装案件が増加した』と説明しています。
株価は決算発表を受け、窓を開ける形で急伸し、本日も昨年来の高値を更新しています。

万博のコンセプトは「いのち輝く未来社会のデザイン」ですが、「水」がキーワードのひとつとなっています。
サントリーBF（2587）とダイキン工業（6367）は、万博における未来社会ショーケース事業および催事企画コンテンツのひとつとして、2社共同で水上ショーを出展します。

岩谷産業（8088）は、万博の会期中、大阪市中心部の中之島から、ユニバーサルシティポート（大阪市此花区）を経由し、万博会場の夢洲（同）まで、国内初の水素旅客船を運航します。
水素タンクを備え、酸素と化学反応させることで発電して動き、二酸化炭素を排出しない事から、「動くパビリオン」として世界にアピールしたい考えだそうです。

万博への出展はありませんが、水素つながりでは、兵庫県が大々的に、同県神戸市に本社を置く川崎重工（7012）の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」をアピールしています。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk05/suisoleaflet9.html
この船は世界で唯一の液化水素運搬船で、米国からのLNG輸出の運搬をも担う事になろう川重が、あらためて世界的な注目を浴びるかもしれません。

その他、証券各社が万博関連として挙げているのは、鉄道各社、不動産、建設会社など様々ですが、中でも、万博によるインバウンド増加を見越した、宿泊施設や外食関連等が、個人投資家層にとっては連想が及びやすい物色対象と言えましょう。

万博の後には、国内初となるIR構想が実現に向けて動き出す事となるでしょうから、今後も関西圏が日本全体の活性化の原動力となる事に、大いに期待したいと思います。



執筆：木村泰章

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　個人的に注目している銘柄
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◆石原産業（4028）
◆エスケー化研（4628）
◆岩谷産業（8088）
大阪に本社を置く企業群です。

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　私のコラムで紹介した銘柄
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◆トレファク（3093）
　本日も銘柄ご紹介後の高値を更新！
　内需の代表格ですね。
　昨年10月16日のご紹介時からの高値騰落率28.94％。

◆関電工（1942）
　上げ一服ですが大きな崩れは無し。
　1月23日のご紹介時からの高値騰落率21.80％。
　
◆指月電機（6994）
　こちらも上げ一服ですが大きな崩れ無し。
　2月27日のご紹介時からの高値騰落率18.54％。

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　単発スポット銘柄の見解
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◆≪木村泰章のギャラクシーダイヤモンド銘柄≫　
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