株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2025-11-03 09:00:00

コンプラ男子コラム

なぜ、会員様の保有銘柄は日経平均株価と連動しないのか

コンプライアンスコラム担当の市丸です。

先般は「テンバガー」論をコンプライアンスの観点から整理しましたが、今回は会員様から多くいただくご質問――「日経平均が史上最高値を更新しているのに、自分の銘柄は上がらない」――について、統計的に整理し、ご回答いたします。

1. 理論的な枠組み:変動の分解

ノーベル経済学賞を受賞したマーコウィッツやシャープの資産価格理論(CAPMなど)に従えば、個別銘柄の変動は以下の二つの要因に分解されます。

銘柄変動= 市場要因による変動 + 銘柄固有の変動

本稿ではこの「市場」を日経平均株価と仮定し、個別銘柄の変動が統計的にどの程度日経平均で説明できるか(連動しているか)を検証しました。

2. データと検証手法

データ :QUICKの終値ベースから算出した**騰落率(日次リターン)**を使用。

期間 :2025年2月6日~2025年10月30日(180営業日)。

手法 :単回帰分析(回帰分析)による**決定係数(R^2)**を算出。

決定係数の解釈:決定係数は0から1の値を取り、本稿ではこれを「日経平均で銘柄変動を説明できる割合」として解釈します。例えば、0.03は、変動の3%が日経平均に起因すると考えられることを示します。

3. 主な検証結果(要旨):中小型グロース銘柄の場合

弊社が紹介している中小型グロース銘柄について、日経平均との連動性(決定係数)を検証しました。


【示唆】
上記の通り、弊社が紹介した中小型グロース銘柄は概ね日経平均で変動を説明できる割合が非常に小さく、変動の大半(95%以上)が銘柄固有の要因(個別のファンダメンタルズ、材料、需給など)で動いていることが統計的に示唆されます。

4. 日経平均への寄与度が高い大型銘柄との比較

一方、日経平均の構成ウェイトが大きい銘柄については、日経平均の変動を高い割合で説明する、つまり連動性が強い傾向が見られました。



【解釈】
これらの銘柄は統計上、日経平均の値動きに対して高い説明力を示しており、日経平均株価自体が、構成ウェイトが高い少数の大型株の値動きに大きく影響されると解釈するのが合理的です。

5. 結論

中小型グロース銘柄について
会員様の保有銘柄が日経平均に連動しにくいのは、上記のとおり理論的にも統計的にも整合的です。したがって、投資判断やリスク管理においては、日経平均ではなく、個別のファンダメンタルズや材料・需給を重視すべきだと考えられます。

6. 弊社のスタンス
あすなろコンプライアンス部は、弊社アナリストが日経平均をはじめとする市場のマクロ動向を分析・参照しつつも、会員様の利益に資するため、銘柄固有の要因を重視した分析・情報提供に専念できるよう、引き続き統計分析を継続してまいります。

今後ともご愛顧いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

免責事項:本稿は過去の統計的分析に基づく情報提供であり、特定銘柄の売買推奨を目的とするものではありません。投資判断は各会員様ご自身の責任でお願いいたします。

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