トランプショックに動揺した米国株と底堅い日本株
昨日言ってたそばからトランプリスクに米国市場が反応して本日は日本株も連れ安してしまいました。
朝方は全面安商状で、そこに韓国新大統領の文氏発言も相まっていつぞやの防衛関連が値上がり上位に食い込んでくるというハチャメチャなスタートになりました。
昨晩のNYダウは安寄りしてから終日下げ続けて結局安値引けでしたが、その割には日本株は以前よりも根もちが良くなった印象があります。
先月は為替のドル円が1円落ちると日経平均はゆうに200円下落する状況でしたが、直近ではドル円の高値114.36円、日経平均の高値19998.49円に対し、ドル円の安値110.52円(-3.84円)、日経平均の安値19449.73(-548.76円)となっています。
比べてみると、だいぶ底堅く押し目買いが下支えしていると言えるのではないでしょうか。
一方で、直前に押し返されてきた日経平均20,000円の壁。
日経新聞の記事によると、どうやら立ちはだかっているのは昨年の暴落時に割安な水準を拾ってきた年金マネーらしいです。
年金マネーは信託銀行経由で市場に注文され、そのフローを辿ると年初からは累計で5000億円超の売り越しだそうです。
20,000円の壁突破を阻む投資主体は案外身近なところにもいることになりますね。
国内で増加の一途をたどる高齢者の生活を支えるため、年金基金も株式ポートフォリオの比率を引き上げているので必死です。
それに加えて興味深いのは、厚生年金基金の解散の波も影響しているという内容です。
積立金に不足懸念のある基金の解散が相次いでおり、今後もその解散に伴う資産売却が株式の下落圧力を生じさせることになりかねないそうです。
本来の買い主体が売りに回っていることで、日本株の上値を抑えている一因となっていると結論づけています。
一方で、律儀に買いを続けているのが日銀(8301)です。
昨日も100円程度の下落でしたが、きっちり727億円買ってます。
一時期よりもひっそりとですが本日もきっと買ってきていることでしょう。
以前のコラムでも日銀が実は一番儲かってるんじゃないかという内容を書いたことがありましたが、下落に合わせてコッソリと買っている人が利益を出しているのかもしれません。
以外にもあまり知られていないような銘柄でも決算が良いのはたくさんありますので、下がったところを狙ってコッソリ買っておくのもよいかもしれませんね。
今回決算が良かった建設業のIT化を支援するシーティーエス(4345)や、トランプラリーの初期に紹介したエスティック(6161)などあまり認知度の高くない会社こそ押し目で拾いたい株と言えるかもしれません。
逆に決算が大きく下振れして経営環境が厳しいものはいくら株価が安くても拾うに値しないと言えます。減収・減益・減配とリコー(7752)などは売りポジションで持つくらいの方がよいかと思います。
【 相 場 の 格 言 】
『受けて立つが相場のコツ』
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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