株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2017-06-07 17:00:00

元外資系金融マンのこぼれ話し

中小型株の切り返しが際立ちマザーズ指数が再び高値圏

本日もお取り組みお疲れ様でした。

日経平均20000円大台の攻防が熾烈を極めておりますが、朝方の売り一巡後は切り返してきた銘柄も見られましたね。

この2日間の下げ幅を取り戻した銘柄は今後も調整完了で強含むことが期待されます。

まずは週後半に控えるリスクイベントを無事に通過することですが、VIX指数を確認すると、大方の予想としては波乱なしとみる向きが多いように感じられます。

アズジェント(4288)などと並んで情報セキュリティ関連などで一昨日大きく売られたラック(3857)が出来高を集めて陽線を立てたのは明らかに強い証拠だと思います。

直近IPOのところではインターネットインフィニティー(6545)が昨日高値を上回るなど、軟調地合いでも中小型株は狙い目の銘柄が多そうです。昨年の中ではイノベーション(3970)が底値反転してきていますね。

ただ、実はそれ以上に注目しているのが、最近のゲームやバイオの物色に圧されて沈静化している半導体株の行方についてです。

ダウ・ジョーンズ社が発行する、米国で最も著名な週間金融専門誌の1つに「BARRON'S(バロンズ)」があります。

今日はそのメディアの中で取り上げられていた記事で気になったのがいくつかあったのですが、トップページに出てきた「米国の信用拡大、限界に到達か」はネガティブキャンペーンの気がするので、素通りしましょう。(笑)

それとは逆の話題で「トランプ銘柄、下期に投資機会」は大いに気になる内容ですが、今週末のFBIコミー長官解任の政治問題化で手こずっていて、米国予算は果たしてつくのでしょうか。

さて、本題に入ると「AIが開く半導体産業のチャンス」が興味深い内容です。

長期的に見て、人工知能(AI)は半導体技術を活用して産業全体の再興につながるとして、米国の主要メーカーであるエヌビディア(米:NVDA)、アドバンスト・マイクロ・デバイス(米:AMD)、インテル(米:INTC)などをはじめ、シーバ(米:CEVA)やケイデンス・デザイン・システムズ(米:CDNS)といった中小型株にも多大な恩恵がもたらされると紹介しています。

AIには膨大な量の計算が要求され、エヌビディアのAI応用半導体における需要が急増しているようです。

このエヌビディアは今回の四半期決算発表でAIを応用したデータセンター向け半導体の販売額が前期の3倍近くに膨らんでいることを明かし、同社売上の急拡大を後押しした要因として注目されています。同時に深層学習(ディープラーニング)向けの集積回路を備えた「Volta」の発表も行っています。

そして、そのエヌビディアに負けじと半導体の自社開発に乗り出しているのがグーグル(米;GOOGL)です。AI向けの第2世代のカスタム半導体というものを開発しているらしいですが、エヌビディアのそれよりもハイスペックになることが見込まれています。

半導体というと幅広過ぎてよく分からないところもあるかと思いますが、上記で挙げた企業が何に強みを持っているのか分かると日本株のヒントになるかもしれませんね。

初めて聞く企業かもしれませんが、シーバは画像処理に使用する技術のライセンスを提供しており、日本株だとアバールデータ(6918)のような企業です。

また、現在販売されている半導体のおよそ3分の1を占めるほどにその知的財産権が使われているソフトバンク(9984)傘下になった英ARM社もぜひ覚えておきたい企業です。

さらに、機械学習アルゴリズムに対して最適化可能な独自の半導体設計ツールを販売するケイデンス・デザイン・システムズはソリトンシステムズ(3040)やジーダット(3841)のようなEDA設計ツール開発企業のようなものでしょうか。

また機械学習向けのプログラマブルロジック半導体を開発するザイリンクス(米:XLNX)もインテルに買収されて話題となったアルテラ社のライバル企業で注目です。実際にここの製品を上場企業では唯一取り扱っているPALTEC(7587)も外せないでしょう。

様々な関連企業が互いに新AI技術開発にしのぎを削っている状況で、AIを応用した新しいコンピューティングが半導体ビジネスに大きな変革の波を巻き起こしていくことになるのは事実だと思います。

これから先もAI関連のテーマ物色は広がりやすいと考えられますし、本日高値を奪回した手垢のついてなさそうなソネット・メディア・ネットワークス(6185)や懐かしいところでsMedio(3913)なども見ておきたいですね。


【 相 場 の 格 言 】
『財界の見通しより、相場の足取り』


それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆:加藤あきら

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