〜主力株の調整入りで中小型株よ〜いドン!〜
週末は毎度おなじみのトランプ米大統領と金正恩委員長の舌戦とTPPのアメリカ抜きの大筋合意ばかりが報道されておりましたが、週明けの市場への影響は限定的でした。
朝方から売りが先行して値下がり銘柄が多くみられましたが、前週末のSQ値近辺での攻防となりましたので、目先は方向感を探る展開となりそうです。
中小型株も決算発表企業が相次いで個別の株価の振れも大きくなってきましたが、全体として今日は地合い軟調の中でのもみ合いが鮮明でしたので、買われたのは出遅れのエネルギー株くらいです。
値動きの割にそれほど出来高が膨らんでいない銘柄も多々見受けられましたので、株価だけに振り回されてしまわないように注意していきましょう。
足元の調整の動きで今後の相場に不安を感じる投資家も少なくないと察せられますが、個人投資家の動きは概して逆張り好きなので外国人の利益確定売りが出るこれからが買い出動してくる場面となりそうです。
ネット証券大手のマネックスの松本大社長が「日経平均株価が3万円に上昇する」という公式見解を発表したことが話題となっているようですが、これが実現するには個人投資家のスタンス変更が必要不可欠です。
ここまで大きく売り手に回ってきた個人投資家が買いに転じてくるのはもうそろそろでしょう。
株価の調整局面を下支えするのは日銀の役目ではないですし、日本株を再び高値更新へ導くのは海外投資家ではなく、国内の個人投資家をはじめとして金融機関、投資信託、年金機構であるべきなのです。
松本大社長が強気の見解を示したことや投資情報の発信を活発化させる背景には、向こう1年半程度の相場においてただ単に楽観しているわけではなく、個人投資家を奮い立たせる意味合いも込められているのではないかと思うのです。
元々マネックスは依然から日本株に対しての強気の見方を貫いてきたストラテジストの広木氏が先頭に立っており、TVなどでも大活躍しておりますが、彼のバリュエーションをベースとした分析での日経平均3万円はここから3割上昇すれば到達するとしています。
たしかに23000円から30%上昇すると30000円となり、利益の見通し(予想EPS)がここから2割伸び、バリュエーション(PER)が1割拡大すればよいとした裏付けは、あながち的外れでもないような気がしてくるから不思議です。
アナリスト予想のQuickコンセンサスをベースにした今期の予想EPSは1540円、来期は1660円近くを見込んでいるようですので、たしかに現在の予想EPS1500円付近からすると3割上昇することになります。
あくまでも企業業績をベースにしたものですので鵜呑みにはできませんし、短期的には今日のように需給で株価も振れてしまいますので、まるっと利益を獲ることは難しいかもしれませんが、おおよその方向感が上向きなことはつかめるかと思います。
株式投資においては安く買って高く売るが基本ですが、実際に下がって安くなってくるともっと下がるのではないかとか、上がって高くなってくるともっと上がるのではないかと思うのが投資家心理です。
テクノスマート(6246)などはあれだけのサプライズ決算にもかかわらず超絶売り反応となりましたが、裏を返せば安くエントリーする機会が巡ってきたことになります。
おそらく今日のように市場が調整入りしてくると、主力株の下げに引っ張られて必要以上に売られる中小型株が出てくると思います。
しかし、上記のように安く買えるチャンスにもなりますので、今回の決算発表が一巡する水曜日以降は抜け目なく狙っていきましょう。
【 相 場 の 格 言 】
『商いは急がず時を待て』
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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