〜リスク資産の温度計を探しておく〜
世界の市場全体を通じて株高のスピード調整がみられていましたが、原油などのリスク資産も調整しましたね。
やはり高値警戒感や地政学リスクなどがたびたび持ち出される状況に変化はありませんが、株価の値もちはだいぶ良くなってきています。
少し前までは値崩れしてしまうような売りを受け止める押し目買いの意欲の強さが伺えます。
先物の動きなどを見ていると指数のボラティリティも相当に高まっていて、個別銘柄の方が取り組みやすいのではないかと錯覚を起こしてしまう程です。
いまの相場の動きを読み解くために忘れてはならないのが先日の衆議院議員選挙ですが、アベノミクス再加速をにらんだ上げ潮相場の歓迎ムードはその中心政策である日銀による「異次元の金融緩和」であることは見逃せない点です。
黒田日銀総裁の任期は来年4月までとなっており、今後、黒田日銀総裁の続投や後任候補選定の過程では、「異次元の金融緩和」の効果と問題点に関してこれまで以上に厳しい議論が巻き起こる可能性を頭の片隅に置いておく必要がありそうです。
日銀は2013年4月にこの「異次元の金融緩和」を導入しましたが、この『持続性』こそがアベノミクス下における相場のキモになっているということです。
債券市場などではすでに「イールドカーブコントロール」で徐々に市場に流すお金の量は減らす方向でコントロールされていますので、「異次元の金融緩和」は実質的に縮小していくともいえるかと思います。
ただし、そういった舵取りをするのが金融政策の本来の役割ですし、世界の中央銀行が金融緩和をコントロールできているうちは株高にブレーキをかけるような政策はとらないはずです。
ですので、適度に調整した今週のリスク資産における各市場は実態経済とのかい離を埋めながら、巡航速度で評価されていくことになるのではないでしょうか。
日本企業だけでなく米国企業もその他の国の企業でも世界景気回復の流れの中で業績が回復、あるいは拡大が顕著に表れていますので、ここにインフレ圧力が加わってくると一層の株高に作用してくると考えられます。
先日の国内実質GDPは年率換算1.4%増で7期連続のプラス成長になりましたので、日銀のインフレターゲット2.0%増目標はまだ先の話ですが、全く実現不可能というわけではないでしょう。
専門家の意見は分かれるところですが、国内だけでなく米国や中国を起点としてでもインフレによって資産効果が高まれば高まるほどお金の流れが速まり、円キャリートレードも活発化して、2006年などにみられたような株高も実現してくるのかもしれません。
原油や天然ガス、貴金属などは価格低下が続き、一方で米や食肉、金などが価格の上昇傾向にありますので、一概には言えませんが今後はインフレヘッジの目的の意味でもリスク資産をもっておいた方が良いというような論調も強まってくる可能性だってあるのです。
株式市場を日々監視している投資家だからこそ、そうした動きに対するアンテナは高く張っておきたいですし、短期の目線、長期の目線、両方の視野を広げて株式投資にもっとのめり込んでほしいと思います。
【 相 場 の 格 言 】
『堪忍五両、思案十両』
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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