どうなる!?米中間選挙とリスク資産への影響
週末のトランプ発言による大幅高もあって来週の動きに期待を寄せている投資家様も多いことと思います。
来週は世界中の投資家にとっても、今年最も注目される米国中間選挙がやってきます。
この土壇場になってようやく米中貿易問題を解決させる姿勢を見せたトランプ米大統領ですが、リップサービスだけでなく本当に中国と歩み寄ってくれれば世界経済の先行きに対する懸念も晴れることでしょう。
株式市場にとっては先行きに対する期待感と不安感のどちらが勝るかによって投資家のセンチメントが決まってきますので、中間選挙前に貿易問題のリスクが後退した意味は非常に大きいと言えます。
一方で気になるのは10月の株式市場の急落局面においても不気味なほどの安定感を示した為替市場です。
株式市場が大荒れとなった際にも投資家の心理的な下支えとなったのは、米国経済の力強さと、本来のリスクオフ局面では円高に振れやすい為替市場が比較的底堅い動きを示したことでした。
米中間選挙と7日〜8日にかけて開かれる米FOMCで米国の長期金利に及ぼす影響が為替市場を不安定にさせる側面もあり、動意薄から急動意してくるようだと値動きが大きくなる危険性をはらんでいます。
では、米国中間選挙では何が焦点になるかと言えばトランプ政権すなわち共和党が上・下院の両院で過半数を維持できるか否かが注目ポイントとなります。
現時点においては上院は共和党が過半数を維持、下院は民主党が過半数を維持するとの見方が優勢になっています。
これによって、捻じれ議会となり政策審議が停滞するとなるとトランプ減税なども進まず株式市場にとっては向かい風となりやすくなります。
あるいは上・下院ともに民主党が過半数を維持してもホワイトハウスと米議会が捻じれとなり、トランプ政策の実現性はことごとく低下することになります。これも株式市場にとってはネガティブと言ってよいでしょう。
仮に上・下院ともに共和党が過半数を獲得した場合には財政拡張路線を強行してトランプ大統領の発言力がさらに強まると同時に、インフレ抑制のために米FRBの追加利上げ観測も高まるとみられます。
この3パターンどれをとっても為替は振れると思いますが、強いて言えば現時点の市場の見方とズレが無い上院=共和党、下院=民主党の構図が比較的サプライズなしで為替の動きは安定すると思われます。
株式市場にとってはどのパターンになってもトランプ米大統領の良い面と悪い面で一長一短ありますので、影響があったとしても一過性のものにとどまると思われます。
むしろ不透明なリスクイベントを通過したという事実だけでリスク資産は買われやすくなる傾向にあります。
よって、来週の株式市場は今週同様に需給要因で買い戻し優勢の展開が継続するとみられ、先週末に大幅高となった機械株や戻りの鈍かった自動車株など、未だ叩き売られた水準にとどまっている銘柄を狙っていくのが王道と言えるかと思います。
【 相 場 の 格 言 】
『 心配の種はどこにでもある。週末の後ろ向きの考えや、ニュースキャスターの恐ろしい予言には耳を貸してはいけない。 』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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