米中会談を好感した中国株とブッシュ元米大統領の逝去が意味するところ
世界中の投資家が固唾を飲んで見守った米中会談を無事に終えて、新興・小型株も含めた指数は軒並み上昇しました。
中国株も上海総合指数が3%近く上昇するなど投資家心理は急激に改善し、日経平均も中国時間が始まってから上げ幅を拡大させたことは注目に値するでしょう。
積極的にリスクテイクした投資家にとっては歓喜の上昇かと思いますし、その一方で売り方の買い戻しが一巡する前に利食いしていくことも重要です。
さて、週末にはG20の他に通称“パパブッシュ”のジョージ・H・W・ブッシュ元米大統領が逝去されたと伝わってきました。
世界全体にとっても冷戦終結など歴史的な功績を残したリーダーでしたし、とくに米国にとってはエネルギー政策には多大な影響力を持った方でした。ある意味では“石油時代の終焉”を意味するものと言えるかもしれません。
そんな米国市場では原油価格が50ドル割れでようやく下げ止まる兆しが見えてきましたが、反転するかどうかは12/6のOPEC総会次第と言えるでしょう。
その前日の12/5はブッシュ氏追悼で米国市場が休場となりますし、一大イベント通過後もなかなか手掛けにくいスケジュールとなっています。
米中の貿易戦争が今回の会合をもって小康状態に入るということで、目先は過度な警戒感から売り込まれた銘柄の水準訂正が進む流れでしょう。
また、投資家のリスク許容度が高まってくると中小型テーマ株の人気物色も強まりやすくなってまいります。
本日から名実ともに12月相場がスタートし、2018年のパフォーマンスが沈んでいる場合には今週の仕込み銘柄で後れを取り戻すことができるか変わってくるかと思います。
あくまで年内のパフォーマンス重視の方は中小型株で、来年も見据えてじっくり仕込む方は大型株も含めたバリュー株が良いでしょう。
とくに米中対立で大きく買い戻されてきているのは最近重点的にご紹介してきた機械株やハイテク株ですね。今日のハーモニック・ドライブ(6324)やフェローテック(6890)などの動きを確認いただければお分かりになるでしょう。
加藤コラムを日々ご愛読いただいている方には、10/30の見直し買いの初動を観測した記事を振り返っていただき、レーザーテック(6920)などのその後の動きもご確認いただければと思います。
20世紀は世界の近代化を支えた石油をめぐる争いの時代で、その終わりとともに新たな争いの種となったのがハイテク技術だと思います。
米中が互いの身を削るような対立までしているのは、ハイテク技術やそのルール作りがそのまま次世代の覇権を握ることに直結するからに他なりません。
日本も世界の中で経済的・地政学的に重要な役割を担っていますし、かつ今回のG20でも改めてそれを確認することができましたので、自信を持って投資していってほしいと思います。
【 相 場 の 格 言 】
『 真の投資家は将来を予知し、それが起こる前に行動する。 』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
ハーモニック・ドライブ(6324)
フェローテック(6890)
執筆:加藤あきら
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