日経平均の半値戻し達成で上昇相場が鮮明に
先週後半から続いている為替の円安進行と中国の上海株高が日経平均の支援材料となり、ついに半値戻しの21698円を上抜けました。
しかも本日安値は21740円ですから、下値意識も限定的でほぼ完全なリスクオン相場と言える雰囲気となりました。
相変わらずの戻り売りは多いとみられるものの、精密機器や機械といった中国関連セクターが揃って値上がりし、物色の変化が感じられました。
一方で、為替の円安にもかかわらず伸びを欠いたのは自動車セクターで、トヨタ(7203)や日産(7201)、ホンダ(7267)など揃っての反落が目に留まりました。
中国との貿易協議において追加関税撤廃も視野に入ってきた進展期待を横に、週末にはトランプ米大統領が保守層が集まる政治集会で就任以来最長となる2時間強にも及ぶ演説が行われたようです。
肝心の話題の中心は、トランプ批判を繰り返す政敵に関してや支持者への支持基盤固めに終始したとみられますが、今の米国では米中協議の問題よりもトランプ大統領の元弁護士コーエン氏の証言内容に関心が寄せられています。
先日の米朝会談が物別れに終わって、速やかにベトナムを後にしたトランプ大統領は自身の政権基盤を揺るがしかねない事態に内心、北朝鮮どころじゃなかった可能性がありそうです。
自身の政治的な支持率にも市場の株価にも歴代稀にみるほど関心の高さを窺わせるトランプ大統領ですから、国内で自身の問題が大きくなる前に話題の目を外に向けさせる手を打ってくることも考えられます。
考えすぎかもしれませんが、本日の自動車株の冴えない動きはそうした政治動向からトランプ大統領の攻撃の矛先が日米の貿易問題にも波及しかねないとの懸念を映したものだったのかもしれません。
投資家としてはトランプ大統領の治世になってもう3年目ですから、今さら動揺することもありませんが、市場の物色の特徴に目を向けながら臨機応変に立ち回っていきたいところです。
本日は足元で動きが鈍くなっていた半導体関連株や機械・ロボット関連株に物色資金が向かってきたのは先ほども述べたとおりです。
ファナック(6954)や安川電機(6506)、小松製作所(6301)といったおなじみのものから、トプコン(7732)、ナブテスコ(6268)、ディスコ(6146)といったところまで大型・中型株に資金が流入してきています。
もしかすると、日経平均の半値戻し達成を機に買いの主体が代わったり、買い戻し優勢の相場から上値を買う相場に変わったりと、いずれにしても相場の潮目が変わることを頭に思い浮かべながら柔軟に対応していくことが求められるようになります。
先週からすでに3月入りしていますが、この2日間で改めて買われた銘柄、売られた銘柄を精査してみるとよいでしょう。
私が監視しているところでは、日本新薬(4516)や日本電子(6951)、中小型株ではソウルドアウト(6553)やビジョン(9416)などに注目しています。
物色の感じ方はそれぞれかもしれませんが、いつもお伝えしているようにその中でも自分と相性の良い銘柄を中心に取り組んでいくことを心がけましょう。
【 相 場 の 格 言 】
『 遠くのものは避けよ(自分にとって遠い存在、よくわからない会社に投資するのは止めた方がよい。)』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
トプコン(7732)
ナブテスコ(6268)
ディスコ(6146)
日本新薬(4516)
ソウルドアウト(6553)
ビジョン(9416)
執筆:加藤あきら
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