株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2019-05-09 17:00:00

加藤あきらの投資戦略室

国際政治の駆け引きに振り回されずに賢い投資先を探そう

本日のお取り組みもお疲れ様でした。

昨晩の米国市場は米中貿易協議をめぐる懸念がある中で反発、米国時間以外のダウ先物の値動きも含めてNYダウは25800ドル付近がサポートされています。

一時は150ドル近く上昇する場面があったものの引けにかけては急落しておりますので、米中貿易協議のゆくえは不透明感が増しているという市場反応とみられます。

日本でも米国でも積極的に動いているのは短期筋が中心ということになりますね。

また、相場が主体的に動いているというよりもニュースで相場が動かされているという印象が拭えず、米国側の追加関税発動に対する正式な通知がなされた一方で、中国側も報復関税を匂わせる等、相場をかき乱す要因となりました。

本日の日本市場においても、トランプ米大統領の「中国はディールを破った」発言でザラ場中の下押し圧力につながりました。

昨晩、米政府のサンダース報道官は「米国が中国より通商交渉に関し合意をしたい」との意思を受け取ったと発表しました。これが米株上昇に一役買ったとみられますが、それ以外にもこの米中貿易協議に対する見方も大きく変わってきたことがあります。

実は制裁関税に関して、米国にとっては自国にダメージが少ない製品を狙っており、貿易摩擦のコストは米国の消費者よりも中国の生産者が負担する方が大きいとの見方へと変わってきたと指摘されています。

貿易関税は米中の共倒れを促して世界的な景気後退(リセッション)につながるとの見方から米国経済への悪影響は限定的で国益にかなうとの認識が広がりつつあります。

では、このまま戻るのではと考えたくなりますが、そう単純なことでもなくて実体経済としてはそうだとしても、金融経済とちょっと気になることが起こっています。

昨晩の米債市場で米10年国債の入札があり、これが2016年8月以来の低調な結果となったことから債券の市場関係者の間では「中国が関税引き上げの報復として米国債入札をボイコットしている」との憶測が飛び交っているようなのです。

中国側も国内で米国の脅しに抵抗する勢力が暗躍している模様で、中国共産党を一手にまとめる習近平氏の求心力が揺らいでいるのか、率いている政権側の思惑とマスコミを見方につけている抵抗勢力の思惑は利害が対立しており、それが諸々のフェイクニュースを生み、情報が錯綜しているとみられます。

要するにこういった局面では、買い方としても売り方としてもボラティリティが高い相場に興奮しがちですので、そんな中で余計なポジションを取るといった無駄打ちを避けるということが上策となります。

もちろん買い方にとっては、リスク許容の範囲内であれば値下がりしているわけですから、安く拾うチャンスであることに変わりはありません。

本日の市場は文字通りの全面安でしたが、買いが手控えられやすい中で出来高は徐々に減ってきています。これは昨日、一昨日と比較して売り圧力が和らいできていることに他ならないですね。

日経平均は100日移動平均線の21220円付近、ちょうど3月末から4月1日にかけて開いているマドを埋めにいくのかと思いましたが、ひとまず下げ止まった格好です。

というよりも、昨晩の米国市場もそうですが過度な悲観が後退すれば自然と売り方の買い戻しによって下げ止まって、反発に転じてきます。要はそれがどこまで、いつのタイミングかの読み合いです。

これを見るには最近ゴルディロックスで取り上げる機会も少なくなっていたのですが、VIX指数や騰落レシオですね。騰落レシオ(25日)は本日80ポイント台前半まで低下してきておりますので、間もなく売られ過ぎの水準に入ってきます。

短期の6日は60ポイント台後半で4月のSQ前の水準以来で、こちらは既に売られ過ぎの水準にあります。

今年の相場はずっとSQ算出日の前後が短期的な底になっていますから、来週から反発に転じるのか、あるいは昨年12月と同じようにSQ通過後から下げが加速していくのか慎重にエントリータイミングを計っていきたい局面ですね。

最後に、足元では企業決算が続々と出てきておりますので、本日気になった銘柄だけご紹介しておきたいと思います。

まず、何と言ってもトヨタ自動車(7203)、発表後は垂直的に上昇しましたが今日はその反動で売られていますね。想定為替レートに対してドル円が110円を切れてきているのも無関係ではないでしょう。

次にインテリジェントウェイブ(4847)ですが、決算当日に変に売り込まれたにもかかわらず好決算で大きく跳ねましたね。

最後にエムティーアイ(9438)もご紹介しておきましょう。減益予想から一転して2ケタ増益での着地、地合いが悪くなければもっと上値を伸ばしてもおかしくなかったでしょう。

全体が下落する局面でも資金が向かう先を探して、試し買いからでも投資していきたいですね。


【 相 場 の 格 言 】
『いつとても買い落城の弱峠、恐いところを買うが極意ぞ』

それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。

【本日ご紹介した銘柄】
トヨタ自動車(7203)
インテリジェントウェイブ(4847)
エムティーアイ(9438)

執筆者:加藤あきら

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