世界的な金融緩和の流れに日本は追随できるか
昨日とは地合い一変の東証1部のおよそ9割が上昇する全面高商状となりました。
市場センチメントも大きく改善し、昨日割り込んだSQ値21060円も軽く飛び越えて大幅上昇でした。
外部環境も昨日引け後のドイツの6月ZEW景況指数が一瞬目を疑うほど悪化する内容でしたが、それと相まってECBドラギ総裁による追加緩和を示唆する発言が飛び出したことにより、市場はリスクオンへと急旋回してまいりました。
どちらかと言えば米国の利下げ観測に対する期待が先行していただけに、米国の利下げ後に欧州が追随するイメージを持っていた市場関係者は多いかと思いますが、ドイツの経済指標悪化もふまえて先手を打ってきたと言え、米国の金融当局にとっては利下げを正当化する支援材料になったとみられます。
実際のところはまだ口先介入だけの可能性もありますので、期待が先行している感じは否めないですが、いずれにしても今後は米国が緩和方向に舵を切るとなれば実体経済以上のアクセルを踏むことになりますので、株価にとっては上昇圧力がかかりやすくなるものとみられます。
債券市場では株式市場以上に利下げを織り込む動きになっていますので、ここから米国株が利下げ期待で一段高すれば日本株にとっても追い風となることでしょう。
ただ、世界的に景気後退への対応策を打ち出す中、日本では消費増税の旗をおろさないというのは流れに逆行しており、金融政策としても為替の円高を食い止められないと、さらに米国株や欧州株から後れを取るということになりかねないでしょう。
ハッキリ言えば、「消費増税などしてる場合ではない」ということで、政府もその辺は野党からの声が無くとも理解しているはずで、おそらく米国からの外圧もかかっていることでしょう。
本日も主力株を中心に全面高でしたが、商いはようやく2兆円を超えてきたといったところです。
明日以降も本日のような大幅上昇に期待感を持ちたいと思いますが、それに伴って売買代金も膨らんできてほしいですね。
本日はマザーズ市場のそーせいG(4565)が値下がりで指数は伸びを欠きましたが、マザーズ売買代金は昨日よりも2割増しとなっています。一方、JASDAQや東証2部は2割減となりましたので、中小型株の元気がやや物足りなさを感じさせました。
もしかすると、本日新規上場したクラウド名刺管理のSansan(4443)が、CM知名度を活かしてセカンダリーで人気化しましたので、活きの良い個人投資家や短期筋はIPO物色していたのかもしれないですね。
その他、個人に人気の高いオンコリス(4588)やメドレックス(4586)といったバイオ株の上昇も目に付きましたので、物色が継続してほしいですね。
もし明日の物色で主力株の勢いが止まるようであれば、中小型株の底入れにも期待したいと思います。ジーエヌアイG(2160)やヘリオス(4593)のように移動平均線より上にあるものを中心に底放れの動きにつながりやすいですから、監視を強めておきましょう。
【 相 場 の 格 言 】
『大上げ、大下げ後の小幅モミ合いはあなどるな』
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
Sansan(4443)
オンコリス(4588)
メドレックス(4586)
ジーエヌアイG(2160)
ヘリオス(4593)
執筆者:加藤あきら
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