株式市場の下げ止まるタイミングと“非常時モード”が仕込み場である理由
これまで幾多のショック安に見舞われても生き残ってきた今の市場参加者にとって、まさしく最悪の地合いなのですが、総悲観モードもそう長く続くものではありません。
現在募集している【新・裏道王道銘柄】ですが、元となった【裏道王道銘柄】は2016年のイギリスでブレグジットショックが起こってしばらく地合いが悪かった時期に推奨した銘柄です。
結果的に株価はそこから15倍以上に上昇したという、“非常時モード”の時は云わば絶好の仕込み場であったことを物語っています。
今週は米国のNYダウが史上最大の下げ幅を記録するなど、相場史に残るレベルの一週間になったと思います。
そんな歴史的な下落に見舞われ凄惨な状況ですが、ここは【買い向かう価値のある水準】であると言えます。
その根拠を解説していきますので、お時間を割いて目を通していただければ幸いです。
日経平均は長期の200日移動平均線を割り込んだので、昨秋からの景気回復期待を否定した形となります。
よって、相場は昨秋の景気回復期待から200日線を明確に上抜けてきた『21000円付近』まで押し戻されています。
さらにここからもう一段下げる場合には明らかに“オーバーシュート”と呼ばれる行き過ぎた水準に入ってきます。
また、バリュエーションからはPERはコロナウイルスの影響が企業業績にどれくらい反映されるものなのか現段階では推定できませんので、役に立ちません。
よって、日経平均の“PBR1.0倍(企業価値)”から下値メドを計ると『20300円付近』となります。
これは一昨年12月のブラック・クリスマスで下げ止まった60月移動平均線の20250円付近とも合致してきますのでファンダメンタルズ、テクニカルともに強力なサポートになる水準となります。
上記の下値メドは必ずしもそこまで下げるといったものではなく、相場は需給が最も重要であることからすると最も注目すべきは昨日夜間の先物が日中の4倍近く取引されたことです。
この出来高増大が示すのはトレンドの転換点となる場合が多く、下落の極限でパニック的な投げ売りを誘発すると“セリングクライマックス”となります。
ということは本日がその“セリングクライマックス”になる可能性もあるわけで、他の需給要因としてはアルゴリズムの売りプログラムによる機械的な暴走と、ボラティリティが急拡大したことに伴い例のリスクパリティファンドがこの月末月初で売り物を出してくることが考えられます。
つまり、「本日」と「週明け月曜日」の下げがとくにきつくなりやすいと言えます。
それによって、その後遺症として2~3日は追証発生による強制ロスカットが最後の売り圧力として立ちはだかることになるのでしょう。
その代わり、この急落スピードですと案外早く全体が底入れしてくるかもしれません。
そこから自律反発して日経平均は22500~22700円くらいまでの戻りを試し、それまでに政府の追加経済対策や日銀の追加金融緩和などの政策対応・・・に期待しましょう!
ですから、政府・日銀がこの今のマーケット状況をどこまで深刻に捉えるかにもかかってきます。
日銀の場合にはこれまでETF買い入れを断続的に行ってきて、だいたいの損益分岐点は19500円近辺と推察されます。
よって、少なくとも20000円台に差し掛かってくると、これはさすがに動かざるを得ないという状況になってくるのではないでしょうか。
私は今回の下げが単なるコロナウイルスショックではないと度々申し上げてきました。
これは云わば日銀の金融政策を促すための催促相場であると同時に、昨年から上昇し続けて史上最高値を更新してきた米国株の割高なバリュエーションを修正し、過度な期待を一旦白紙に戻すものであったと考えています。
もちろん「コロナのせい」、「アルゴリズム取引のコンピュータのせい」、といった要するに誰のせいでもないという巧妙な手口で機械的に売られたものです。
これは実際にバリュエーションやテクニカルなどのマーケットが培ってきた知見を打ち壊すものであると言え、すでに債券市場は“史上空前のバブル状態”です。
まだ米10年債利回りの低下は止まってきませんので、下げ止まりと判断するのは早計です。
株式市場の下げ止まりはこの債券市場の動向にかかっていると言っても過言ではありません。
しかし、この【債券バブルが通常モードに移行する場合には、資金の大移動が起こる可能性がある】のです。
米10年債利回りは現在1.23%ですが、政策金利は1.50~1.75%で米FRBが利下げに動くとは考えにくいため、この辺で落ち着きどころを探る展開となるでしょう。
そうなれば1.75-1.23=0.52%の値幅がありますので、債券が1.75%の通常モードに戻る場合には今より42%も値下がりすることとなります。
例えばリスクが債券よりも高いとされる株式市場が1年にどれだけ動いても40%上昇するというのは極めて稀な出来事であると言えます。
これはもはや株式市場よりもリスク、ボラティリティが大きい変動と言え、債券市場のマネーは一斉に逃避して、「まだ株式の方が安心だ」ということになるでしょう。
本日、オリエンタルランド(4661)が上昇しましたが、こうした企業は債券市場から流れてくる資金の受け皿として最たるものと言えるかもしれません。
米国ではS&P500配当利回りと米30年債利回りの逆転現象が起こっており、通常では考えられないことが起こっています。
前も言いましたように今の相場は極めて“異常”な状態だと言えるのです。
しかし、こんな株式市場を冒涜するようなAI取引、さらにマネーの暴走ですが、こうした現象は売り基調だけでなく、反転して買い基調の時にも発生する可能性があります。
仮に、債券バブルが落ち着いて株式市場にマネーが還流してくるとして、日経平均が21,000円を起点に40%上昇するとしたら・・・なんと29,400円まで駆け上がることになります。
異常な相場なわけですから、普段の常識を捨て去ってリスクと真正面から向き合っていきたいですね。
≪加藤コラム内でご紹介の銘柄≫
◆すららネット(3998)[情報・通信]
12/27ご紹介から株価は52%上昇で高値更新!
好決算と教育ICTのテーマ評価で物色人気化。
昨日発表された学校一斉休校の思惑買いも加わる。
◆信越化学(4063)[半導体]
1/28ご紹介から10%上昇で2/21高値更新!
昨日までの下げ渋りも本日は売り物に抗えず反落。
往って来いだが、他と比べて高値からの下落率はまだ軽微。
◆東京エレクトロン(8035)[半導体]
昨夏7/6ご紹介から最大50%上昇で1.5倍!
昨日までの下げ渋りも空しく反落。
ただし、出来高が膨らみ押し目買いも入っている。
◆SUMCO(3436)[半導体]
7/11ご紹介から株価は45%上昇で2/21高値更新!
足元4日間は短期筋の投げ売りを誘った模様。
後から見れば調整時の押し目買いは吉と出るか。
◆オリンパス(7733)[精密機器]
8/5ご紹介から最大53%上昇で高止まり。
信用需給の売り長が下げ渋る要因か。
業績回復も鮮明化して買い方優勢の展開続く。
◆JSR(4185)[化学]
11/19ご紹介から株価は上下しながら9%上昇!
半導体レジストを手がけており注目。
AIバブルをふまえ半導体関連の押し目買いは有効。
◆ユニ・チヤーム(8113)[化学]
11/11ご紹介から株価は上下しながら18%上昇!
直近3日間は25日線で攻防だったが、ついに反落。
200日線サポートで下げ止まるかに注目。
≪あすなろ単発スポット銘柄の動向≫
★新・裏道王道銘柄(****)
あすなろ有料銘柄ランキング堂々の第1位。
テンバガーを通り越して15倍達成の裏道王道銘柄、
悲観ニュース満載のこの時期が仕込み時。
※【【新・裏道王道銘柄】サイト内特設ページでご確認いただけます※
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【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
あなたは富を築くことができる。』
(マーク・リッチー)
『最高のトレーダーは多くの独特な考え方をしている。
彼らはその一つとして、恐れずにトレードを実行し、また同時に軽率なトレードと恐怖心によるミスを防ぐ心構えを習得している』
(「ゾーン 相場心理学入門」より)
それでは来週も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
オリエンタルランド(4661)
執筆者:加藤あきら
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