特典レポート「仮想通貨について」
日本銀行の黒田東彦総裁は、今年5月のインタビューで、ビットコインに代表される暗号資産(=仮想通貨、以下「仮想通貨」)についてこのようなメッセージを発しました。
急騰、暴落を繰り返すそのリスク資産は多くの投資家にとって「急騰」の光しか見ようとせず、手を出して大ヤケドをする。そのような状況を忌避したいのか、黒田氏は「裏付け資産を持っていない」というメッセージを発することにより、各主要銀行との足並みを揃えました。
確かに、ビットコインに代表される仮想通貨は一日で何十パーセントものパフォーマンスを発揮する可能性を秘めており、投機対象としてはとても魅力的に映ります。また、デジタル通貨という観点においては、円やドルの姿も抜本的に見直され、世界通貨としての覇権を獲得する可能性も秘めていると言えます。
しかし裏を返せば急落や暴落をする可能性もあることから、この魅力的にも映るコインは投機対象としかなり得ないと弊社は判断しております。「レバレッジ」をかけることにより、そのリスクは増大します。なので、仮想通貨を楽しむ場合は、そのリスクの大きさを考慮して、「レバレッジ」投資は極力避けるべきであると考えます。現時点での多くの仮想通貨は日々乱高下しており、安定した投資ができるようになるにはまだ時間がかかるでしょう。
この透明なコインは様々な可能性を秘めていることは否定しません。決済手段としては利便性がありますし、ブロックチェーン(分散台帳)技術により、従来のように、「持ち逃げ」されるようなリスクも低くなりました。最近では、世界的な電子決済サービス提供企業であるPayPal(ペイパル)もオンライン精算できる新機能を導入しました。この大企業が動くことによって、今後様々な小売店舗で、ビットコインなどの仮想通貨が決済手段として使える日が来るかもしれません。
しかしこの裏付け資産を持たないコインは、インフルエンサーによる発言によっても、価格は乱高下します。思い出してください。テスラ社で民生スペースシャトルを発射する野望をもつイーロン・マスク氏は、コミュニティアプリであるTwitterで、ビットコイン等、仮想通貨に対するネガティブな発言(ツイート)を発しました。その後すぐにビットコイン価格が暴落したことを覚えていますか?
そうです。たとえビットコイン先物に連動するETF(上場投資信託)が誕生したといっても、従来の暴落リスクが払しょくされるわけではないのです。この裏付けのない透明なコインは、現時点では単なるマネーゲームのオモチャになっていると考えています。
元カンザスシティー連銀総裁のトーマス氏は「デジタル通貨(ビットコイン等)の登場は、人々や企業が銀行を迂回することを可能にする。暗号資産がドルに代わる存在になれば、独立した金融環境が生まれ、金融政策を実施することがより難しくなるだろう。」と語りました。
さて、ビットコインなどの仮想通貨は本当に私たちに富みをもたらすのでしょうか?それは、仮想通貨に対する姿勢によって変わってくるでしょう。マネーゲームとして遊ぶのならば、夢のような資産価格上昇と、悪夢のような資産価格暴落の二つをイメージしておく必要があるでしょう。マスコミなどが日々報じている、ビットコイン等仮想通貨の「光」の部分だけを見て「影」に目をつぶるべきではありません。
よって、仮想通貨に資金を投じるなら、リスクマネジメントは徹底されるのがよろしいと考えます。価格が多くの要因により乱高下しやすいので、レバレッジをかけたトレードで思わぬ負債を抱え、破産してしまうようなことだけは避けましょう。また、株式よりも常に仮想通貨のチャートを観察し、急落しそうな動きが見られた場合はすぐに売却するなど、リスク管理を徹底しましょう。
私共は警告します。現時点での仮想通貨投資は大切なものを失う可能性が株式投資よりも多くあると考えます。幸い、東京株式市場はおおむね堅調なパフォーマンスです。そして、弊社には数々の修羅場を生き抜いた敏腕アナリストが勢ぞろい。彼らの緻密な分析を経た銘柄こそ、あなたや、あなたのお子さまやお孫さまのご資産をお守りするのではないでしょうか?
黒田氏やドラギ氏などの各国・地域主要銀行の総裁が、仮想通貨に対しネガティブなイメージを抱いている、この局面においては、仮想通貨はまだ検証段階であると言えます。効率的かつ安定した資産形成を望むのであれば、価格乱高下リスクが高く、まだ検証段階である仮想通貨への投資よりも、歴史のある株式への投資がおすすめです。
仮想通貨は確かにボラティリティの高さから、資産価格上昇を大きく狙うことが可能です。また検証段階ではあるものの、実用化されれば決済手段としては有用であると言えます。しかし株式は、いまは電子化されたものの、ファンダメンタルズ(業績)という裏付けがあることに加え、理論的なバリュエーション算定がある程度可能、というプレゼンスもあります。
ご参考ください。
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