中国EC:規制強化より消費者購買意欲が上回っている印象
かなりくだけた内容ですが、週末・休日版という事でご了承いただき、お付き合いください。
中国のEC最大手のアリババ(Alibaba)が、中国の「独身の日(シングルデー)」にあわせたビッグセールイベントを終了しました。
中国政府が同社を含む巨大企業に厳しい目を向け、貧富の格差縮小による「共同富裕」を提唱している中で、やみくもに消費をあおって売上高を稼ぐ手法が難しくなるであろうという指摘から、今年のセールは盛り上がりを欠く、との事前見通しが多かったものと存じます。
しかしながら結果は、取引総額が前年の4982億元(約7兆9000億円)を上回る、なんと過去最高の5403億元(約9兆6173億円)に達した模様です。
個人的に気になったデータは下記2点です。
・日本が(海外から中国への)越境ECにおける国・地域別GMV(流通総額)ランキングでトップ。(2016年から5年連続)
・購入者のうち45%以上が1990年以降生まれで、2000年以降生まれの購入者は前年比で25%増を記録。
また、「中国の消費者」が購入した輸入ブランドのトップ10(11月11日午前11時時点)は次の通りです。
【輸入ブランドGMVランキングトップ10】(11月1日~11日午前9時)
1位 ヤーマン(日本)美容健康機器、化粧品
2位 Aptamil(ドイツ)乳幼児用粉ミルクなど
3位 Swisse(オーストラリア)サプリメント
4位 花王(日本)化粧品、スキンケア・ヘアケアなど
5位 資生堂(日本)化粧品など
6位 A.H.C(韓国)化粧品など
7位 SmoothSkin(イギリス)美容機器
8位 a 2(ニュージーランド)乳幼児用粉ミルク
9位 Bio Island(オーストラリア)栄養補助食品
10位 Emporio Armani(イタリア)ファッション・レジャー
さらに、下記のような種別のブランドランキングも公開されています。
・レディスアパレルは、1位が「ITIB」、2位「ユニクロ」、3位「伊芙麗」。
・メンズアパレルは、1位ユニクロ、2位「太平鳥」、3位「ジャックジョーンズ」(烈克琼斯)。
・インナーは、1位「ユーブラス」(Ubras)、2位「バナナイン」(蕉内)、3位ユニクロ。
・靴は1位「Belle」(百麗)、2位「UGG」、3位「ドクターマーチン」。
・バッグは1位「コーチ」、2位「MCM」、3位「マイケルコース」。
中国景気の鈍化懸念、実はそれ以上に消費者の購買意欲が強いという事を表しているように感じた次第です。
◎参考銘柄
・ヤーマン(6630)
・花王(4452)
・資生堂(4911)
執筆者:木村
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