その銘柄のブームは終わりかも
年の瀬迫る師走時に、注意したいものとは?
今回は特定の銘柄ではなく、気を付けたいセクター、事業性についてお話をしてまいりたいと思います。
では早速本文をご覧ください!
かつて株式市場では、メタバースというコンセプトに少しでも関わる銘柄であれば、その技術的な将来性や夢への期待から、一時的に熱狂的な盛り上がりを見せ、株価が急騰する現象が確認されました。
しかし、現在その熱狂は落ち着きを見せ、市場の関心は生成AIなどの他のテーマに大きく移り、メタバース関連銘柄の多くは、あの高揚感に満ちた時期を過去のものとしつつあります。
この状況は、ガートナー社の提唱するハイプ・サイクル(特定の技術の成熟度、採用度、社会への適用度を示す図)に当てはめて考察すると、現在は「幻滅期」(幻滅のくぼ地)にあたると推測できるでしょう。
流行期(過剰期待の頂)において、技術は非現実的な期待を背負い、その期待に応えられなかった結果、市場から急速に関心が失われ、メディア・マスコミの露出も減少する時期がこの幻滅期であり、まさに現在のメタバース関連株の多くが直面している状況であると判断します。
しかしながら、このハイプ・サイクルは技術の終焉を示すものではなく、このくぼ地を抜け出た後には、技術の利点と適用方法が理解され始める「回復期」(啓蒙の坂)、そして最終的に技術が広く社会に受け入れられ、安定的な発展を遂げる「安定期」(生産性の台地)へと移行する可能性があります。
実際に、米国のメタ(旧フェイスブック)社のように、巨額の投資を継続し、今もなお強力に推進している巨大企業は存在しており、また、大阪・関西万博のような大規模なイベントにおいても、類似の技術が盛り上がりを見せるなど、特定の分野での可能性は未だに捨てられていません。
ただし、投資という観点から見ると、この回復期や安定期への移行があまりに先過ぎる実現や、技術の一般化を待つことは、非現実的な「宝くじを買って当選を祈り続ける」ような姿勢に近いと考える必要があります。
メタバース関連技術の実現には、高速で安定した通信インフラの整備、高価なVR/ARデバイスの低価格化と普及、そしてプライバシー保護や不正行為への対応といった法規制の整備など、まだ克服すべき多くの技術的・法的課題が存在すると分析されます。
例えば、2030年までに市場規模が1兆ドル規模に達するという一部の予測も存在しますが、その実現には長期的な時間軸と膨大な資本投下が必要です。
したがって、未来の可能性に全額を賭けるのではなく、目の前の現実、すなわち現在進行形で地に足がついた事業を展開し、着実に収益を上げている銘柄や、メタバース技術を部分的に活用しつつも、既に現実世界で確かな価値を生み出しているデジタルツインや産業用VRなどの分野で動いている銘柄にこそ、しっかりと目を向ける方が、投資の効率性、すなわちリスク対リターンを考慮した上では、より建設的なアプローチであると推測します。
まとめ
未来の技術を夢見る姿勢も重要ですが、現在の確実なデータと企業の成長実態に基づいた冷静な判断こそが、幻滅期における投資リスクを回避する鍵になると考えます。
免責事項
※上記は売りを推奨したり、投資の安全を100%保証しているものではありません。投資のご判断はご自身の意思で行ってください。
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■本日の取り組み注意銘柄
メタバース関連株
いつか必ずや……!と大きな夢を託して保有する事もとても大切ですが、資産効率を考えるとメタバース関連株は浸透速度の面ではまだ時間と考察の余地を残していそうです。
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