水面下で株高に向けた下地作りが始まっている PART-2
海外市況が良好で日経平均だけでも再びの高値更新に期待を寄せましたが、あと一歩届きませんでしたね。
NYダウも最高値まであと350ドルなんですが、なかなか焦らしますね。
今晩は米国や英国の市場がグッド・フライデーで休場になり、欧米人の頭の中はイースター(復活祭)でいっぱいだと思いますので、昨晩の上昇ムードがそのまま来週に引き継がれることになりますね。
日本株は高値警戒感の中で上値の重さが気になっている方もいるかと思いますが、ファーストリテイリング(9983)をはじめとするごく一部の銘柄の上昇に対して大半が値下がりすることにより、日経平均のみぐんぐん上昇している状況です。
一方で、値下がり銘柄数が多いために騰落レシオが高まらないまま日経平均が独歩高する状況と言え、見た目よりも過熱感はありません。つまり割高どころか、PER12.5倍台のまま水準が上がってきている状況です。
昨日明らかにされた投資部門別売買状況も見ておきましょう。
4月第一週よりも買い越し額こそ減ったものの海外勢は2週連続での買い越しで、個人は2週連続での売り越しとなっており対照的です。
市場ごとに見ていくと、東証一部は上記同様ですが、マザーズはじめ中小型株市場は逆の構図で、海外勢の売りに対して個人が積極的に買い向かっています。
今日の任天堂(7974)を見てもそうですが、東証一部銘柄も面白くなってますね。
任天堂に関しては、当コラムで2/6の最安値ポイントを捉えることができました♪
そしてさらに、ここで注目トピックが飛び込んできました。
ダイヤモンド会員様、さらに先週の加藤銘柄のご参加者様には先にお伝えしている話ですが、非常に重要なことですのであすなろ会員様全員に知っておいてもらいたいことです。
もしかすると、ダイヤモンド会員様や加藤銘柄のご参加者様には「秘密にしておいて欲しかった」と怒られてしまうかもしれませんが(笑)、株式市場においてはそれだけ重要なことであるとご理解ください。
その代わり、特ダネが入れば違うかたちでまたお届けしたいと思いますのでご容赦ください。
では本題に入りますが、昨日、自民・萩生田幹事長代行が「6月の日銀短観次第で消費増税延期もあり得る」と発言したことはニュース等でご存知の方も多いことと思います。
これを受けて、昨日の日本市場は国内の景況感悪化を連想し、後場の下げ幅拡大につながった可能性もあります。
引け後になりますが、直ちに茂木経済再生担当相から「消費増税予定通り行う」との火消しがあった模様ですが、安倍首相の側近と目される萩生田氏の発言は無視できるものではありません。
現段階においては、観測気球を打ち上げただけとも言えます。
がしかし、これと合わせて萩生田氏は「もし増税見送りとなれば国民の信を問う」と言及したことから、今年7月の参院選を前に衆議院の解散を行って衆参ダブル選挙に向けた下地づくりも始まってきたとみることもできそうです。
安倍首相がもし伝家の宝刀を抜いて衆議院解散にふみ切るということは、ダブル選挙でともに衆参の議席を確保して3分の2獲得を目指すということになります。
年明けの段階で一度こうした観測が浮上していたのを記憶していますが、その時は私も消費増税延期を期待していました。
しかし、増税対策の大型補正予算が組まれて、消費増税に向けた小売業の準備なども進められていく中で、「やっぱり増税しちゃうのかな~」と諦めを感じておりました。
だから会計ソフトや業務用ソフトを手がけるピー・シー・エー(9629)などは年明けから紆余曲折ある中で株価が高値を更新してきているわけじゃないですか。
よく政治・選挙は水物と言われ、流れを読むのが非常に難しいのが政治の世界なんですよね。
米国のトランプ大統領を見るとそのことがよく分かるかと思います(笑)。一方で、為政者の考えや方針を読み解いていくと、想像している以上の恩恵を受けられるのもまた事実です。
消費増税延期の実現性はともかくとして、今年の相場には政治思惑を外すことはできませんし、国策への注目度も殊更に高まっていく、大袈裟に言えば歴史的な節目を迎えていると言っても過言ではないでしょう。
新たな令和の時代を迎え、政治的にも大きな転機となるかもしれないこの時機に、投資家としては黙って視座するなど言語道断だと思っています。
政局の流れによっては、先ほど述べた海外マネーの流入などもケタ違いに大きくなっていくことと思いますし、市場の本質を理解していないニュースなどに惑わされて機会を逸してしまうことは避けなければなりません。
・・・と話していくと、お伝えしきれないことが山ほどあって長文になってしまいますので、またの機会に筆を走らせたいと思います。
そんなわけで来週の相場にも期待している私ですが、新たに監視を強めたのは材料が出たタカラバイオ(4974)、三重大学と組んで新規CAR(キメラ抗原受容体)遺伝子治療に関する共同研究の開始を発表しました。需給面ではまだ少し苦しそうですかね。
民間のバイオベンチャーと学術連携といった点では、信州大学と組んでCAR-T細胞療法の安全性試験を行っているイナリサーチ(2176)ですね。
どちらも現在は上昇後の調整に入っている感じですが、仕込んでおくという観点からはそろそろまた頃合いを探っていくタイミングに来ていると言えるでしょう。
あとは鳴りを潜めている三菱ケミカルHD(4188)、こちらは新型療法として大きな可能性を秘めているMuse細胞に関連しています。少し前に遺伝子組み換えカイコで話題になった免疫生物研究所(4570)もこれにつながる銘柄ですね。
どれもまだ以前の相場のシコリが解消するのにもう少し時間を要しそうですが、監視はしておきたい銘柄たちですね。
【 相 場 の 格 言 】
『割安に買いなく、割高に売りなし』
それでは来週も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
三菱ケミカルHD(4188)
免疫生物研究所(4570)
執筆者:加藤あきら
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